2024年10月13日、アクアパルコ洛西で行われた後期第6節、京都産業大学×大阪学院大学の試合を見てきました。
京産大は後期日程に入って4勝1分。勝点34で単独トップとなっていますが、勝点2差で関西大と阪南大に追われてる状況。今節も勝ってリードを広げたいところ。フォーメーションは4-4-2。GKは林憲太朗(4年・滝川第二高)。4バック右から#13滝口晴斗(2年・広島ユース)、#5横窪皇太(4年・金光大阪高)、#4小野成夢(2年・愛媛U-18)、#33逵村健斗(3年・三重高)。ダブルボランチは#3田代紘(2年・神戸U-18)と#10伊藤翼(2年・C大阪U-18)。右SH#72皿良立輝(1年・C大阪U-18)、左SH#15末谷誓梧(2年・C大阪U-18)。2トップ#9菅野翔斗(4年・広島ユース)と#11中田樹音(4年・岡山学芸館高)です。
大院大は後期は3勝2分。前期に黒星を喫した関西大、大体大からは後期にそれぞれ勝点1と3を奪っており好調な様子。同じく前期に敗れてしまった京産大からは勝点を奪えるでしょうか。相変わらずメンバー表の上でのDFは2CBだけとなっておりますが実質フォーメーションは4-1-4-1と言っていいでしょう。GKは#1杉村斗磨(4年・履正社高)。4バック右から#179柴田将伍(2年・京都U-18)、#4舩田陸人(4年・履正社高)、#17岡田佳己(3年・京都橘高)、#157鈴木聡太(1年・C大阪U-18)。アンカーに#8箱崎達也(4年・四国学院大香川西高)、インサイド#173鳥井禅音(1年・広島ユース)と#7山本未来翔(3年・大阪学院大高)。右SHに#19青木玲(3年・大阪学院大高)、左SH#144井伊虎太郎(2年・大津高)。1トップ#10閑田隼人(4年・広島皆実高)です。
試合開始。
前半2分、相手のゴールキックを中盤で京産大・#5横窪皇太が跳ね返し敵陣で収めたボールを左サイドへ展開。上がってきた#33逵村健斗がワンタッチで斜めのクロスを入れるがファーサイドに誰も入れずゴールラインを割ってしまう。
前半4分、京産大が敵陣左サイドでFKを獲得。#72皿良立輝の左足から放たれたボールは相手にクリアされるもPA右で拾った京産大・#11中田樹音が思い切ってダイレクトでシュートを放つが枠の上。
前半6分、敵陣左サイドの相手のクリアボールを京産大・#3田代紘が跳ね返し、#15末谷誓梧、#11中田樹音とわたって#11中田が深い位置からゴール前へグラウンダーの鋭いクロス。しかし中で誰もさわれず逆サイドへ流れてしまう。
前半8分、京産大・#10伊藤翼が中盤から長いボール。PA手前で#9菅野翔斗が収めて左へ展開。#33逵村健斗が再び中央へ横パス。受けた#72皿良立輝が左ポケットへドリブルで運び自らシュート。しかし枠の右。
前半9分、敵陣右サイドにボールを運んだ大院大。#19青木玲から中央の#7山本未来翔にわたり、#7山本が縦に差し込むも#173鳥井禅音に当たって跳ね返ったボールを再び#7山本未来翔が回収し左サイドへ展開。#157鈴木聡太が左ポケットから相手GKとDFの間へグラウンダーの鋭いクロス。しかし誰も押し込めず流れてしまう。
前半12分、京産大のビルドアップに中盤で大院大・#7山本未来翔が体を寄せてボールをカット。#8箱崎達也がボールを収め、前線へロングフィード。#19青木玲にボールが入りPAに進入するも相手DFに追いつかれシュートは打てず左へ横パス。#10閑田隼人が受けようとするが収まる前に京産大GK#1林憲太朗がスライディングでクリア。大院大・#144井伊虎太郎に拾われクロス(シュート?)を打たれるもボールはラインを割ってゴールキック。
前半13分、京産大が中盤で大院大のプレスを受けボールロスト。大院大がショートカウンターに入るも中央から左へ展開したところへ京産大・#72皿良立輝のプレスバックでカウンターを阻止。
前半14分、京産大がGKとCBでボール回し。大院大・#19青木玲が相手のトラップミスを見逃さずPA右でボールを奪うとPA中央の#10閑田隼人へ。#10閑田はGKの動きを見極め左の脇へシュートを放つが、京産大・#5横窪皇太がスライディングで跳ね返しカバー。ゴールを許さず。
前半16分、大院大の自陣からのロングボールを京産大・#33逵村健斗がカット。#15末谷誓梧が受けてドリブル開始。自陣左サイドから中盤中央へ運んで#3田代紘へスイッチ。リターンを受けて#10伊藤翼、#33逵村健斗と左サイドへ展開。左ハーフレーンで再び#15末谷誓梧が受けて#10伊藤翼へマイナスのパス。#10伊藤翼がファーサイドへクロスを入れ、#9菅野翔斗が飛び込み頭で合わせようとするもさわれず。
前半18分、京産大・#15末谷誓梧が敵陣左サイドへ進入。内側の#10伊藤翼へパスを出し、さらに中央#72皿良立輝にボールがわたると#72皿良がやや左へボールを運び左足のシュート。しかしこれは枠を超える。
前半25分、自陣中央でCBからボールをうけた大院大・#8箱崎達也が少し縦に運んでからまっすぐに縦パス。#7山本未来翔に入るところを京産大・#4小野成夢が潰すがボールは再び大院大・#8箱崎に入り、京産大・#4小野が空けた中央のスペースへ再び縦パス。#7山本未来翔がPA手前へ運び、京産大DFがあわてて絞ってきたところを左へ横パス。#10閑田隼人が寄せる相手を左、左へとかわし左足のシュート。前へ飛び出してきたGKの手をすり抜けボールはネットに吸い込まれ、大院大が先制! 0-1
ここで飲水タイム。
前半31分、大院大が流れるようなパスワークで中盤中央から右サイドへ展開。#179柴田将伍から#7山本未来翔へバックパスし#7山本がゴール前へ高く浮いたクロス。ファーサイドへ飛んだボールを京産大GK#1林憲太朗がジャンプして両手を伸ばすも後ろへ逸らし、そこへ大院大・#157鈴木聡太が走り込むが足が合わずボールはポスト左。
前半35分、大院大のビルドアップ。左サイドへ展開すると内側へポジションを移した#144井伊虎太郎に代わり、ここにいたのは#8箱崎達也。京産大DFをひらりとかわして左サイドを駆け上がりゴール前へ鋭いクロス。京産大・#33逵村健斗が跳ね返すも転がった先のPA中央にいたのは大院大・#173鳥井禅音。ダイレクトで力強く蹴り込み大院大が追加点! 0-2
前半38分、敵陣右サイドでボールを受けた京産大・#72皿良立輝が左足でアーリークロス。2トップが走り込んでいたが合わずGKがキャッチ。
前半41分、京産大が攻め込み、大院大GK#1杉村斗磨がクリアするも拾ったのは京産大。中央で細かく繋いで最後は#15末谷誓梧がPA中央から左足のシュート。しかし惜しくもポスト右。
前半44分、大院大のビルドアップを中盤でカットし京産大のショートカウンター。一度は跳ね返されるも再び拾って右サイドへ展開。#72皿良立輝が右足のクロスを入れるもGKがキャッチ。
大院大が2点のリードを保ち前半終了。 0-2
ハーフタイムに京産大は2枚替え。#3田代紘と#13滝口晴斗に代えて#22松浦蒼波(4年・京都橘高)と#2楠瀬海(4年・高知高)を投入。
後半開始。
後半にスコアを動かしたのも大院大。後半5分、自陣ペナルティアーク付近で#8箱崎達也がGKからボールを受けるとすぐさま右サイドへ大きく展開。中盤で右サイドめいっぱい開いていた#19青木玲が頭で内側へ落とすと#173鳥井禅音が前方の相手DFの裏へワンタッチスルーパス。右ハーフレーンに走り込んだ#10閑田隼人がドリブルで縦に運びPA右からニア上へ強烈な右足のシュート! これが決まり大院大がリードを広げる! 0-3
後半11分、大院大GKのキックを京産大が跳ね返したボールを自陣中央で#7山本未来翔が回収。素早く縦にパスを出すと受けた#8箱崎達也もツータッチで前方へ。#173鳥井禅音が右サイドへはたき、#19青木玲がドリブルで快走。自ら運んでPA右角から左足のシュート。しかしこれは京産大GK#1林憲太朗が意地のセーブ。
後半13分、敵陣中央で相手に中途半端なクリアボールを拾った#10伊藤翼が縦にボールを入れ、受けた#72皿良立輝が右サイドへ展開。#2楠瀬海が素早くグラウンダーのクロスを入れ、ニアへ#72皿良立輝が飛び込むがGKがキャッチ。
後半16分、京産大が自陣から左サイドへ展開。敵陣左サイドから#11中田樹音がクロスを入れ、PA左で#9菅野翔斗がボールを受けるもシュートは打てず、マイナスのパスに#10伊藤翼がシュートを放つが大院大・#157鈴木聡太がゴール前で足を伸ばしこれを阻止。ゴールを割らせない。
後半21分、自陣からのボールを中盤で受けた京産大・#9菅野翔斗が相手に奪われそうになりながらも粘ってドリブルで運び左サイドへ展開。#15末谷誓梧が深い位置まで運んでクロスを入れようとするが大院大・#179柴田将伍が体を張りスライディングでこれを阻止。CKに逃れる。
後半24分に飲水タイム。これに続き大院大は3枚替え。#10閑田隼人、#19青木玲、#144井伊虎太郎を下げ、#37光成大地(4年・如水館高)、#154床大空(1年・静岡学園高)、#3中井小鉄(4年・大阪学院大高)を投入。3バックとして#3中井小鉄をその一角に入れ、#8箱崎達也と#7山本未来翔のダブルボランチ、#179柴田将伍と#157鈴木聡太をそれぞれ右と左のWBとし、#37光成大地の1トップ、#173鳥井禅音と#154床大空の2シャドーで3-4-2-1にフォーメーションを変える。
京産大も同時に2枚替え。#72皿良立輝と#15末谷誓梧を下げ、#23山村朔冬(1年・帝京長岡高)と#7石原央羅(4年・鳥栖U-18)を投入。
後半30分、これまで注意を受けていた京産大・#9菅野翔斗が繰り返しの違反でイエローカード。
後半32分、京産大は#33逵村健斗に代えて#36岩村匠馬(4年・東山高)を投入。#36岩村を3トップとして加え、#2楠瀬海を3バックの右に入れ3-4-3に。
後半37分、大院大が自陣で相手のプレスを避けながらボールを回し、#8箱崎達也から相手の中盤4枚の間、右のハーフレーンにいた#173鳥井禅音にボールが入る。トラップしたところへ京産大・#22松浦蒼波が寄せ、互いがボールを挟むもウェイトで大院大・#173鳥井が勝りボールを保持。左ハーフレーンで相手の裏を狙って走る#154床大空へロングパス。ワントラップでうまく相手とボールの間に入りゴールへ向かいドリブル。GKと1対1になるも京産大・#2楠瀬海が後ろから足を出してひっかけてしまいPKの判定。京産大・#2楠瀬海にイエローカード。
後半39分、PKを蹴るのは大院大・#154床大空。キック体勢に入ったところを右へ飛んだGKをあざ笑うかのようなパネンカ。ふわりと浮いたボールはゴール中央上へ吸い込まれ大院大がダメ押しの追加点! 0-4
後半42分、大院大は#7山本未来翔、#173鳥井禅音に代えて#25寺田律稀(3年・青森山田高)と#5佐々木大地(4年・大阪学院大高)を投入。
後半44分、京産大・#7石原央羅が敵陣左サイド深い位置で粘りボールキープ。同じサイドの#10伊藤翼へバックパスから#22松浦蒼波、そして#11中田樹音に当てるが相手がクリア。これを拾った#10伊藤翼がPA左角から右足を振るもGK正面。
大院大の4点リードは変わらず試合終了。 0-4
思わぬ大差の試合となりました。公式記録によればシュート数は互いに前後半3本ずつの6本。それで大院大が4得点ですので非常に効率よく得点をあげたことになります。京産大が若干不運なところはありました。先制のシーンでは相手の楔のパスを#4小野成夢が潰しにいくもそのこぼれが相手に収まり空けたスペースを突かれてしまうとか、2失点目では鋭いクロスをクリアした先に相手がいたとか。また、ポジションが硬直しやすい4-4-2の間を取られたことも大きかったでしょう。2失点目では大院大・#8箱崎達也に右SHと右SBの間を取られたことが起点になりましたし、3失点目ではワイドに開いた大院大・#19青木玲とハーフレーンを取る#173鳥井禅音に翻弄され、ワンタッチのスルーパスを許しました。それだけ大院大の攻撃が見事だったわけですが、ベンチからよくかかった声が「球際!」。球際の厳しさは確かに足りなかった印象があります。先制されたシーンも大院大・#7山本未来翔を2人で挟みながらアシストを許してしまいましたし、PKにつながったシーンでも大院大・#173鳥井禅音に収まったところで止めることができませんでした。実際は大院大にそこまでチャンスは多くなく、ほとんどの場面で京産大が抑えているのですけれども、結果的にたまたま球際が甘くなったところが失点につながってしまいました。次の相手は勝点差1と縮まった2位の強敵関西大。互いに4-4-2の真っ向勝負。今節以上に熱い戦いを期待したいです。
大院大は非常にうまくいった試合でした。両SBが高い位置を取っても#4舩田陸人と#17岡田佳己が広いエリアをうまくカバーしていましたし、自陣ゴール前で混戦になっても粘り強い守備ができました。これまではGK#1杉村斗磨のグッドセーブに助けられることもしばしばありましたが、この試合はシュートを打たれる前にクロスやラストパスのブロックが目立ちました。そして決して多くはないチャンスをものにしての4得点。すばらしいです。次の相手は再び4-4-2の阪南大ですが何しろ好調ですし、ここまで17試合で47得点と爆発的な得点力があります。球際の激しさもあり難敵となりますがどんな戦いを見せてくれるでしょうか。
後期日程も折り返しとなり残り5試合。どちらも力のあるチームですし良い結果を残してインカレへ繋げてもらいたいです。