いよいよ関西学生サッカーリーグ2018シーズンが開幕。第1節 関西学院大学 vs 立命館大学 を見てきました。
あまり予備知識は無いのですが、関学大の注目選手は京都橘出身の10番MF中野克哉、C大阪U-18出身の5番MF仲原潤也、名古屋U-18出身の13番SB高尾瑠、というところになるでしょうか。対する立命大は広島ユース出身の7番MF竹本雄飛、あと個人的に好きな阪南大学高出身の2番DF小松拓幹に注目。が、小松はベンチスタート。
ゲームは序盤から互いの良さを出す好ゲーム。関学大18番FW林部(C大阪U-18)が巧みなキープとドリブルからチャンスを作れば、立命大の4番FW田中(京都U-18)が豊富な運動量と献身的な守備で相手のチャンスの芽を摘みます。個人での打開が目立つ関学大に対して立命大はコンパクトな陣形と適度な距離感でうまくボールをつなぎゲームを支配しようとします。
前半12分、立命大15番左SH藤井(長良高)が左サイドからエリア中央へ向かってドリブル、相手をかわしてそのままシュート。得点にはいたりませんでしたが、この試合再三にわたって藤井が仕掛けるシーンが目立ちました。こうなると関学大右SB高尾もなかなか攻めあがるのが難しい。
どちらがゲームを支配するか見守っていた前半14分にアクシデント。高々とほうりこまれたボールに立命大3番DF東野(広島ユース)がジャンプしてクリアしようとしたところ、助走をつけて飛び込んできた関学大4番MF海口の頭がもろに東野の頭に当たって「ゴン!」というか「パチン!」というかすごい音が場内に響きました。
審判は「タンカ!」と声を上げ、周りからは「救急車!」という声も飛び交っていました。両者ピッチに倒れこんだものの海口は体をすぐに起こし大事には至ってない様子。東野のほうはしばらくピクリとも動かなかったように見えましたが、救急車が到着するころには少し頭の向きや腕を動かす様子も見え、意識は取り戻したようでした。大事に至ってないと良いのですが心配です。ここでゲームは30分間の中断。そして関学大は海口→31番MF安羅(履正社高)、立命大は東野→2番DF小松へ交代。僕の好きな小松は思いがけないところで登場。
再開後もゲームは一進一退。関学大が20分左サイドを31番安羅と19番SB宇都木(佐野日本大学高)で打開し中央で待っていた5番仲原がシュートもGKがセーブ。25分過ぎからは立命大がつなぎのサッカーで何度もチャンスを作るも関学大の守備を崩せず。43分には再び関学大19番宇都木がクロスを上げ10番MF中野がシュートを放つも枠の右。前半はスコアレスのまま終了となりました。
つい金曜日までは非常に暖かい春の日が続いていたのにこの日は10度を少し超えるくらいで風も強い寒い日となり、ハーフタイムにトイレは大混雑。今回会場となった山城総合運動公園は2つの陸上競技場と2つの球技場を備え合計4面のサッカーコートがあってそれぞれにトイレがあるものの使える人数が非常に少ない。ぜひ改善していただきたいところ。
後半に入ってコンパクトでいい距離感を保っていた立命大の陣形がわずかずつですが崩れ始め、関学大がその間を突いてチャンスを作り始める。後半10分、相手ゴール前まで上がっていた関学大13番高尾がゴールを背にしてボールを受け巧くターンからシュートするも枠の左上。13分には18番林部のポストで落としたボールを10番中野が受けスルーパス。20番岩本(G大阪ユース)がシュートを放つがGKキャッチ。
ピンチをしのいだ立命大も20分すぎから波状攻撃。しかしこれもゴールには至らず。
そしておとずれた後半27分、センターサークル付近で関学大10番中野が巧みにボールをキープし右サイドのスペースへスルーパス。これをオーバーラップした13番高尾がうまく抜け出しクロスを上げ、中央に走りこんだ林部がゴールを決め先制に成功。練習通りと思わせるきれいなゴールでした。これが決勝点となり1-0で関学大が開幕戦勝利。
アクシデントで長い中断があったにもかかわらず両者とも集中を切らさない良いゲームとなりました。立命大も敗れたとはいえ、去年から入れ替わったメンバーでここまで繋ぎのサッカーができたというのは特筆すべき点だと思います。チャンスに直結するプレイは少なかったですけれどもボランチの7番竹本のボールキープや鋭いターンはやはり目を見張るものがありましたし、4番FW田中康介も前線だけでなく少し引いてゲームメイクできるプレイの幅の広さが際立ちました。締まりのある良い開幕戦だったと思います。