
2025年6月29日(日)に万博記念競技場にて行われたアミノバイタルカップこと関西学生サッカー選手権の決勝戦、阪南大学×京都産業大学の試合を見てきました。
阪南大は準々決勝では大経大を相手に1-0、準決勝では立命大を相手に2-1といずれも1点差の試合をものにしてここまで勝ち上がってきました。本大会ではFW#20中田有祐(3年・仙台ユース)は不在。そしてこの試合ではキャプテンMF#14櫻井文陽(4年・阪南大高)も準決勝に続き欠場となりました。強敵京産大を相手にどんな戦いを見せてくれるでしょうか。フォーメーションは4-2-3-1。GKは#1高畑優太(4年・新潟U-18)。4バック右から#19村田一翔(3年・国見高)、#36高下麻実(2年・近畿大付属高)、#4金子光汰(4年・市立船橋高)、#6川端元(3年・履正社高)。ダブルボランチに#28松井空音(1年・帝京大可児高)と#8工藤紫苑(4年・仙台ユース)。右SH#23篠田純之助(4年・東福岡高)、左SH#7松井匠(4年・高知高)。トップ下に#29秋末翔也(1年・宮崎日大高)を置いて1トップ#10金本毅騎(3年・C大阪U-18)です。
対する京産大は準々決勝では1部リーグ首位の関学大を相手に2-0、準決勝では同じく2位の関西大を相手に4-1と強敵をなぎ倒し決勝進出。本大会ここまで4戦すべて複数得点2点以上の点差をつけて勝利と絶好調でここまで来ました。勢いそのままに優勝することができるでしょうか。フォーメーションは3-4-2-1。GKは#1徳若碧都(4年・高川学園高)。3バック右から#6田代紘(3年・神戸U-18)、#4小野成夢(3年・愛媛U-18)、#5逵村健斗(4年・三重高)。ダブルボランチは#23大倉慎平(1年・G大阪ユース)と#10伊藤翼(3年・C大阪U-18)。右WBに#3滝口晴斗(3年・広島ユース)、左WB#8末谷誓梧(3年・C大阪U-18)。2シャドー#7皿良立輝(2年・C大阪U-18)と#14長谷川裟恭(4年・京都橘高)。1トップ#9妹尾颯斗(3年・広島ユース)です。

それほど強風というわけではなかったが阪南大が風上側を選択して試合開始。
前半4分、いきなりスコアが動く。京産大・#8末谷誓梧が敵陣左サイドで敵二人を置き去りにしドリブル開始。PA左外でさらに一人かわすと左ポケットからグラウンダーのクロス。これがGKに当たってゴールへ転がり京産大が先制! 0-1
前半7分も京産大。自陣から大きく蹴られたクリアボール、敵陣中央で#9妹尾颯斗がバウンドを体でうまく隠してマイボールにし、その場で右足の強烈なシュート。阪南大・#4金子光汰にブロックされるも左サイドへこぼれ、#8末谷誓梧がエリアの外から右足のシュート。これは阪南大GK#1高畑優太が素早く体を倒してしっかりキャッチ。
前半10分、阪南大・#36高下麻実が自陣から前線へロングキック。#29秋末翔也が敵DFと競り合いながらもペナルティアークから右足ループシュート。しかしおしくもバーの上。
前半17分、早くも飲水タイム。
前半18分、左サイドからのバックパスを受けた阪南大・#4金子光汰がチラリと前線を見て自陣中央からロングキック。#10金本毅騎が敵DFラインの裏へ抜け出し、PA左から右足でファーを狙うも京産大GK#1徳若碧都が冷静な反応を見せセーブ。CKへ逃れる。
前半19分、阪南大・#29秋末翔也による左CK。右足から放たれたボールはファーサイドへ飛ぶが京産大GK#1徳若碧都が思い切りのいい飛び出しから両手パンチングでクリア。
前半21分、京産大が自陣でボールを奪いパスを繋げ、中盤右サイドでボールを受けた#9妹尾颯斗が大きくサイドチェンジし敵陣左サイドの広大なスペースへ#8末谷誓梧を走らせる。#8末谷が左サイドやや浅い位置からクロス。阪南大DFにクリアされペナルティアークの外に転がったボールを#23大倉慎平が右足ダイレクトでミドルシュート。しかしボールは浮いてバーの上。
前半23分、京産大が自陣右サイドからのスローイン。#9妹尾颯斗がヘッドで前に送ると#14長谷川裟恭が胸トラップと右足アウトのリフティングで敵の包囲をかわし敵陣の広大なスペースへスルーパス。#10伊藤翼が抜け出し、敵PAまでドリブルで一気の運ぶがGKをかわしたところでコントロールに手間取って時間がかかり阪南大がゴール前でブロックを形成してしまう。なんとか体勢を整えた京産大・#10伊藤翼がPA左からファーサイド高いところを狙うが枠の上へ。
この際、阪南大GK#1高畑優太と接触があったのか鼻から出血か。止血のため中断。
前半32分に前半2回目の飲水タイム。この試合ではクーリングブレイクでなく15分ごとに飲水タイムが取られる模様。
前半39分、#29秋末翔也の右足からのキックは京産大にクリアされるもペナルティアークで#8工藤紫苑がヘッドで前に送り、ゴール正面で#4金子光汰が胸トラップから落ち際をボレー。京産大DFが前に体を入れブロック。ゴール左へのこぼれに阪南大・#10金本毅騎が左足を振るが大きく枠の上。
前半45分、攻め込まれた阪南大が自陣左サイドでボールを回収。#6川端元から前方の#29秋末翔也へ送り、ここに京産大がプレスをかけるがボールは奪えず#29秋末がキープ。すぐさま中盤左サイドへ張った#10金本毅騎へ。敵陣左サイド半ばで方向を変え中央へドリブル。追い越した#28松井空音へ渡ってすぐにスルーパス。京産大の守備の網を抜けた#23篠田純之助がPA中央でブロックに来る相手を切り替えしてかわし右足のシュート。GKの動きも見極めボールをゴール右に流し込み阪南大が追いつく! 1-1
前半47分、中盤右サイドで阪南大がスローイン。敵陣右サイドでの#10金本毅騎の落としから#29秋末翔也がボールキープ。右サイドからドリブルでえぐってPA内で短くマイナスパス。#10金本毅騎が右足ダイレクトで押し込むも京産大GK#1徳若碧都が反応しセーブ。
前半47分、これで得た阪南大の右CK。ニアで競ったボールがPA中央へこぼれ、落ち際を阪南大・#4金子光汰がボレーシュート。惜しくもポスト左。
同点のまま前半終了。 1-1
ハーフタイムに阪南大は#23篠田純之助に代えて#9松本楓悟(4年・阪南大高)を投入。
後半開始。
後半1分、京産大・#8末谷誓梧が敵陣左サイドから中央の#10伊藤翼へ。右足で浮かせて逆サイドへ蹴ったボールは敵陣中央右ハーフレーンに落ち、#7皿良立輝が回収。マイナスへ落とし敵陣に顔を出した#6田代紘が右サイドへ展開。#3滝口晴斗が右サイドを縦に仕掛けてクロス。#9妹尾颯斗が姿勢を低くしヘッドでゴール右上を狙うも惜しくもクロスバー。
後半9分、京産大のビルドアップ。自陣左サイドで#8末谷誓梧がボールを奪われるも再び自ら奪い返し、自陣中央#7皿良立輝を経由して右サイドへ展開。#3滝口晴斗が敵陣へ運んでアーリークロス。ゴール左へ走りこんだ#9妹尾颯斗が左足ダイレクトで合わせるもボールは浮いて枠の上。
後半11分、阪南大・#28松井空音が中盤敵陣左サイドで敵に囲まれながらもうまくかわして右へ展開。中盤右ハーフレーンに顔を出した#19村田一翔が縦パス。#8工藤紫苑が敵陣中央で受けると同時に京産大に寄せられボールはこぼれるも#9松本楓悟が拾ってすぐさまPA内へスルーパス。走りこんだ#29秋末翔也がブロックに来るGKを冷静にかわす浮き球シュート。無人のゴールへ転がり込み阪南大が逆転! 2-1
後半12分、阪南大が敵陣右サイド浅い位置でのFK獲得。中への素早いリスタートを防ごうと京産大の選手がボールの前に立つも、キッカー#9松本楓悟は右サイドをタイミングよく駆け上がった#19村田一翔へ合わせてリスタート。PAの右端から#19村田がゴール前へ低いクロス。ニアへ斜めに走りこんだ#7松井匠が右足ヒールで流し込むシュートを狙うも惜しくも空振り、さわれず。
前半13分、阪南大は#29秋末翔也に代えて#18坪井風汰(3年・東邦高)を投入。
前半18分、阪南大が最終ラインでボール回し、#4金子光汰のところでわずかにトラップが大きくなったところに京産大・#9妹尾颯斗が寄せる。#4金子の横パスが#9妹尾のスライディングブロックに当たり一瞬ヒヤリとしたものの阪南大・#4金子自ら回収し事なきを得る。
後半19分、後半最初の飲水タイム。
後半20分、京産大は#8末谷誓梧に代えて#32沖野眞之介(1年・高川学園高)を投入。#5逵村健斗が左WBに入り#32沖野は3バックの左へ。この交代と同時に阪南大は#7松井匠を右に、#9松本楓悟を左へと入れ替える。
後半24分、阪南大は#10金本毅騎に代えて#13角田颯磨(3年・高知高)を投入。
後半28分、京産大の中盤でのボール回し。中盤右サイドでボールを受けた#3滝口晴斗が左足の浮き球で相手DFの裏を狙い#9妹尾颯斗が抜け出しチャンスかと思われたが惜しくもオフサイド。
後半28分、京産大は一気に3枚替え。#14長谷川裟恭に代えて#38福島健太(2年・青森山田高)、#7皿良立輝に代えて#17福永裕也(2年・京都橘高)、#9妹尾颯斗に代えて#26高川諒希(1年・富山U-18)を投入。#38福島はボランチに入り#23大倉慎平が#17福永との2シャドーへ。
後半33分、後半2回目の飲水タイム。
後半37分、京産大・#10伊藤翼が敵陣中央から浮き球の縦パス。阪南大にクリアされるも再び#10伊藤翼が拾いダイレクトで左サイドへ展開。#5逵村健斗がPA左角の外で切り返して相手ブロックをかわし右足で速く低いクロス。ゴール前に3人の塊で待ち構えていた京産大だったが体に当てるのが精いっぱいでコントロールできず枠の左へ外してしまう。
後半40分、阪南大は#6川端元に代えて#15佐々木裕貴(3年・仙台ユース)を投入。京産大も#23大倉慎平に代えて#27森田皇翔(1年・神戸U-18)をピッチへ。
後半42分、京産大・#38福島健太が中盤中央で敵のクリアボールを回収し#6田代紘へ。#6田代は敵陣右サイドのスペースへパス。#3滝口晴斗が走りこんでダイレクトでクロス。ゴール前#26高川諒希と#27森田皇翔が入っていたがさわれず阪南大がクリア。
後半44分、京産大の右CK。キッカー#17福永裕也はショートコーナーを選択。#3滝口晴斗がPA右角の外からクロス。ゴール前中央で#26高川諒希が頭で合わせるも枠の上。
後半48分、京産大・#32沖野眞之介が自陣から大きく縦にロングキック。これは阪南大の最終ライン#36高下麻実が回収し、#36高下がロングキック。今度は京産大・#32沖野のもとにボールが飛ぶがトラップが乱れたのを阪南大・#13角田颯磨が見逃さずボールを奪取。一気にゴールへ向かって加速しようとしたところを京産大・#32沖野がたまらず背後から手をかけてしまい#36高下は転倒。このプレーがDOGSOとみなされ京産大・#32沖野眞之介にレッドカード。
後半53分、京産大が右CK。GKの#1徳若碧都も敵陣PA内に入り攻撃参加。#17福永裕也のキックから高く上がったボールは#1徳若碧都がPA中央からヘッドでマイナス方向PAの外へ転がし、走りこんだ#27森田皇翔が大きく右足を振りかぶってダイレクトでシュートを狙うと思いきや冷静にPA左の#10伊藤翼へグラウンダーのパス。#10伊藤が右足を振りゴールを狙うが阪南大・
#13角田颯磨が決死のブロック。跳ね返ったボールはタッチの外へ。ここでホイッスルが鳴り一旦はスタジアムが試合終了かのような雰囲気に包まれたが試合は続行。この混乱の間に阪南大は#28松井空音に代えて#12高月昂希(4年・大社高)をピッチへ。
京産大の敵陣左サイドからのスローイン、それを阪南大がクリアし京産大の左CKとプレーが続いたが、京産大は阪南大の粘り強い守備を崩せず、ここで本当に試合終了のホイッスル。アミノバイタルカップとなって初めての関西学生サッカー選手権、優勝は阪南大!! 2-1
カードは最終盤に出されたレッド1枚のみで、決勝戦という緊迫した舞台にもかかわらずクリーンでそれでいて互いに高い技術とスピード感のある攻撃を見せ、とてもエキサイティングな試合でした。
阪南大は前半立ち上がりに失点という悪い癖が出て1点ビハインドの時間が続きましたが前半のうちに追いつくことに成功。後半は逆に早い時間に追加点を上げ逆転。1点目も2点目もシュート直前に相手に寄せられる場面でしたがあせることなく冷静にコントロールし得点。FW#20中田が不在、#10金本が不発でも他の選手がしっかりとゴールできる強さを見せました。
京産大は序盤に#8末谷誓梧のゴールで幸先のいいスタートを切りましたが、その後はシュートがなかなか枠に飛ばず追加点を奪えません。チャンスを作る力は十分見せましたが、ここまでの戦いのような得点力を発揮することができずシュートに課題が残る結果に。阪南大の切り替えと寄せの速さによるものですが、それを乗り越えて得点を奪いたかったところです。
総理大臣杯への出場権を獲得している両チーム。連覇を狙う阪南大をはじめ、京産大、立命大、関西大、大経大、関学大と関西6代表が全国に力を見せつける大会になることを祈っています。










