関西学生リーグ第10節、関西大学×立命館大学を見てきました。久々のヤンマースタジアム長居。
関西大は第9節を終えて5勝3分1敗勝ち点18。トップの勝ち点24大阪体育大学との勝ち点差は6ポイントで第4位。なかなかの好位置につけています。対する立命館は2勝3分4敗勝ち点9で12チーム中第9位となっていますが、vs阪南大、vs同志社大と連勝し、いよいよ波に乗ってきた感があります。
今季関西大のゲームを見るのは初めてでこれまでのメンバー構成などはわからないのですが、今季6得点でランキング6位につけるFW#10加賀山泰毅(JFA福島)、7アシストでランキング1位のMF#11牧野寛太(履正社高)が注目でしょうか。関西の代表にも選ばれている左SB#12黒川圭介(大阪桐蔭高)、CB#4荒木隼人(広島ユース)も忘れてはならないところでしょう。
このところ急激にチームの完成度を高めている立命大。開始直後からゲームを支配します。3分、#13藤本悠太郎(阪南大学高)のパスを受けた#11延祐太(JFA福島)が右足のシュートも枠の左。直後の4分、#4田中康介(京都U-18)がプレスで相手を追い込みボールを奪取して左に展開、左サイドでボールを受けた#15藤井智也(長良高)がカットインして右足のシュートもゴールならず。
9分、#13藤本がセンターライン付近左サイドから中央DFの裏を狙ってロングボールを送るものの待っていた#11延はオフサイド。
関西大は立命大のプレスに手を焼きなかなかボールを支配できない。それでも12分、立命大DFの裏を狙って縦一本。受けた#6塩屋仁(磐田U-18)がシュートを放つも枠の上。
18分再び前線へのロングボールで#10加賀山が競り勝ちゴール前に持ち込むもシュートは打てず。
21分、中央PA手前でFKを獲得。#11牧野が右足で直接ゴールを狙ったが枠の上。
本日は気温が高く25分に給水タイム。ここからは立命大が一方的にボールを支配。32分エリア手前から#11延がシュート。枠を捉えたがGKがはじき出す。これで得た右からのCK。#13の左足で放たれたボールはファーに構えた#7竹本雄飛(広島ユース)がジャンピングボレーも空振り。その流れたボールを左サイドの#15藤井が拾いドリブルで中央へ入り込みDFのファールを誘ってFKを獲得。#7竹本が右足で蹴るかと思いきや#13藤本が左足で直接狙ったが枠の上。
さらに35分、再び左サイドで#15藤井が中央へ切り込み中へパス。#11延がキープからターンして左足のシュートを放つも枠の上。
38分、ボールを回して遅攻を試みるもなかなか関西大の守備を崩せず、チャンスと見えたシーンでもシュートでなくパスを選択する場面が目立ち、応援団からは「打て!シュート打て!」という声がたくさん飛ぶ。
関西大はなかなかボールが奪えず前田雅文監督もテクニカルエリアの最前に立って選手たちを見守る。相手のプレスの合間を見計らって裏一発、縦一本とボールを送るが前線に大型の選手もいないのでボールが収まらない。逆に立命大は得点こそ生まれないものの#15藤井に代表されるようにボールを受けては一枚剥がして前進して相手を押し込みながら支配率を高め、非常に良い時間帯がつづく。スコアレスのまま前半終了。
ハーフタイムでの交代はなく後半開始。開始直後の46分、関西大#10加賀山が左サイドからドリブル。#11牧野とのパス交換から単独でゴール前に迫りシュートを放ったが枠の右。
48分、次は立命大#4田中が右サイドからテクニカルな切り返しで相手DFをかわして左サイドへ展開。ボールを受けた#22塩田晃大(玉野光南高)がクロスを入れ#11延がボレーを放つも枠の上。
52分、#11延、#19築山隼(久御山高)、#15藤井の3人で流れるようにボールを運び左CKを獲得するがそのCKはチャンスにはならず。
53分#7竹本から、右サイドをオーバーラップしたCB#20重松勇樹(中京大付属中京高)へボールがわたりクロスを上げるが反応した#19築山はオフサイドの判定。
ここで関西大が56分#21梅津克貴(G大阪ユース)→#27草刈龍星(鳥栖U-18)、58分#10加賀山→#29青木真生都(東福岡高)と連続交代。ここから少しリズムが変わり始める。#9大久保優(東山高)と#6塩谷のワンツーで立命大の守備をこじあけシュートまで持ち込むがサイドネット。
ここから関西大の反撃が始まるかと思った62分、立命大#4田中が右サイドでインターセプト、そのままドリブルで持ち上がり中央の#11延へパス。延がシュートを決め立命大が先制! 関西大は良い雰囲気になりかけたところをくじかれた形となりました。立命大ムードになって70分、再び給水タイムに。
この給水タイムのあと、急に立命大の足がとまります。関西大が斜めに長いボールを入れられるようになってきました。給水直後の70分、中央やや右から斜めに左サイドにいた#9大久保にボールが入り、やや持ち上がってからシュート性のクロス、これが立命大DFに当たってまさかのオウンゴール。関西大が追いつきます。
このまま関西大が盛り返すかと思いきや77分、センターサークルからやや左で#19築山が体躯を活かし巧みにボールをキープ。猛然と左サイドを走り出した#15藤井を見てスペースへボールを流し込み、受けた藤井がクロス。中央で待っていた#11延が再び決めて追加点!
しかし立命大の出だしの悪さは元に戻らず関西大がワンタッチツータッチでボールを回し立命大の守備を切り裂いてゆく。84分、#29青木が中央から左の#6塩谷へパス。塩谷は前が空いていると見るやエリア左手前から強烈なミドル!これがゴール左隅へ突き刺さる! あまりの弾道の鋭さに立命大応援団からも「えぐ・・」と声が漏れました。
再び追いつかれてしまった立命大も攻撃陣が粘りを見せます。#19築山が巧みにボールをキープしながらボールを運び交代で入った#47明比友宏(広島ユース)へ。明比がシュートを放つもブロックされ、拾った#15藤井がさらにシュートを放つもこれもブロック。チャンスをものにできません。
関西大にボールが渡るとその素早いパス回しに立命大が寄せきれない。90分、相手PA左でボールを受けた#12黒川がニアサイドへシュート! 立命大GK#1白坂楓馬が必死でかき出しCKに逃れる。
アディショナルタイム、その左コーナーからのCK。#29青木の右足、ハイボールはGKの頭上を超え、ファーで待っていた関西大CBキャプテン#4荒木がヘッドで豪快に叩きつけ関西大が勝ち越し!そして試合終了! 関西大粘りの逆転劇となりました。
終了とともにピッチに倒れ込む立命大イレブン。その理由は敗北感だけではなさそうです。70分まではゲームをほぼ完全に支配していましたが、全員がアクションを起こして前進するゲーム運びと、雨上がりの湿気+ピッチに燦々と降り注ぐ太陽が体力をかなり奪ったのだと思います。
逆に関西大は70分まで相手の激しいプレスと巧みに上下動を繰り返すコンパクトな陣形に手を焼きましたが、ワンタッチツータッチでボールを回すことで極端な体力の消耗を抑えられたところもあるかもしれません。最後まで集中を切らさず戦えたことが勝利へつながったのだと思います。展開の読めない面白いゲームでした。