J-GREEN堺メインフィールドにて行われた1部・2部Aの入れ替え戦を見てきました。
第一試合は大阪学院大学×関西福祉大学。関西選手権で優勝した大院大がリーグでは6勝2分14敗の10位。入れ替え戦に回ってしまうことに。3回生にFW#9井上泰斗(C大阪U-18)、MF#7和田幸之佑(久御山高)、MF#11杉山蒼太(大阪産業大付属高)といった高い技術を持った選手が揃っているだけに来季に向けてなんとしても1部に残りたいところ。
試合が始まってみると関福大が懸命に大院大にプレスをかけるものの、大院大はボールキープに余裕が感じられました。そのぶん足元へのパスが多く、相手DFの裏を取るような場面がなかなか生まれません。またキープができてしまうので球離れも悪く最終的に出しどころがなくなったところで奪われる場面が散見されます。
関福大はボールを支配して組み立てることはできませんがプレッシングからのカウンターで前線の#13西尾和真(綾羽高)と#14仙頭啓生(京都橘高)に預けて打開を図ります。そのシンプルな攻撃で64分に中央から相手エリアへ侵入。大院大DFが後ろから倒してしまいPKをゲット。これを#14仙頭がコロコロキックで決めて関福大が先制! そのすぐあとの66分、大院大のCKから関福大ゴール前で混戦、中央にこぼれたボールを#7和田がシュート、誰かに当たってそのままゴールに転がり込むかと思いきやギリギリで関福大がクリア。これが決まっていれば流れが変わったかもしれませんが、結局関福大が1点を守りきって勝利。1部へ昇格を果たしました!
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続く第二試合は近畿大学×大阪商業大学。リーグ総得点は他のチームにそれほど引けを取らないものの失点が多かった近畿大。大商大の得点を阻むことはできるのか。
試合が始まってみると大商大がテクニックで魅せる。長身FW#11橋本啓吾(阪南高)の懐深いキープからのターンやMF#19藤山恭輔(興国高)の細かいステップからのカットインなど、開始直後から躍動。しかし1部リーグで強豪と戦ってきた近畿大。ちょっとやそっとのテクニックには慌てることはなく無難に対応。
しかし20分、大商大ボランチの#7平田秀明が敵のペナルティアーク手前でボールを受けるとCB2人に囲まれながらも安定した下半身でボールを失わずGKを超えるループシュート。これが決まって大商大が先制! このあと近畿大FW#10粟飯原尚平(札幌U-18)やFW#7川畑隼人(履正社高)がシュートを放つもいずれも枠を捉えられず前半が終了。前の試合で大院大が1点に泣いてるだけに、まさか近畿大もか?と嫌な雰囲気が漂う。
なかなか攻撃の形が作れない近畿大は前半の終わりにボランチの#5倉持卓史(札幌U-18)を下げて#6辰巳輝弥(近畿大付属高)を投入。辰巳がセカンドトップ、#7川畑をボランチに。すると、サイドやトップで行き詰まったら一度川畑が預かり作り直す。そんな場面が増えると徐々に近畿大の時間帯になります。52分、右サイドから作ってエリア内右にいたFW#10粟飯原尚平へ。粟飯原がDFを振り払って自らシュート! ゴール左へ流し込み同点に追いつく!
近畿大の流れになるかと思いきや大商大も粘りを見せ、なかなか得点につながらない。CBの働きもさることながらボランチに入った185cm#4木林仁志(賢明高)が近畿大FW#10粟飯原に入るハイボールを跳ね返す。両者追加点はならず後半終了して延長戦へ。延長開始前の作戦タイム、ピッチに座り込む近畿大メンバーに対して大商大は膝に手をつく選手さえなく全員立っている。スタミナ面では大商大に分があるように見えた。
しかし104分、近畿大が左サイドの深いところを攻めるとマイナスのボールを受けた#7川畑隼人が相手SBとCBの間を縦にスルスルッとドリブルで進入。そして右へラストパス。ゴール前で待っていたのはFW#10粟飯原尚平!スパッと丁寧に押し込み近畿大が追加点! 2-1
延長後半に入ってもスコアは動かず試合終了。近畿大の1部残留が決定!
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来季を担う2回生・3回生主体で入れ替え戦に臨んだ大院大と、途中出場も合わせてのべ8人の4回生で臨んだ近畿大。それぞれに思いを持って戦ったと思いますが結果は明暗分かれました。一方、パンフレットのチーム紹介で1部昇格を必ず達成すると宣言していた関福大は本当に実現し、同じくチーム紹介で「走り勝つ、競り勝つ、拾い勝つ」をモットーとしていた大商大はそのとおりのプレイを披露したものの昇格はなりませんでした。来季はメンバーも変わり、また違うサッカーを見せてくれると思いますが、各々最高の準備をして臨んでもらいたいものです。