今年も始まりました関西学生サッカーリーグ。たけびしスタジアム京都で行われました開幕節の第1試合、甲南大学×京都橘大学の試合を見てきました。
甲南大フォーメーションは3-4-2-1。GKは#21板敷洸大(4年・大阪桐蔭高)。3バック右から#2緒方章吾(4年・大阪桐蔭高)、#13有吉勇人(3年・瀬戸内高)、#5當麻颯(4年・G大阪ユース)。#19與田拓海(3年・高松商業高)と#10泉彩稀(3年・神戸U-18)のダブルボランチ。右WB#18清水健生(4年・阪南大高)、左WB#3赤熊大和(2年・就実高)。2シャドー右に#3西村日陽(3年・磐田U-18)、左に#14松野隼輝(4年・神戸弘陵学園高)。1トップ#26濱田蒼太(2年・広島ユース)です。
対する京都橘大学は守備時はフラットな4-3-3。GK#31岡田修樹(3年・京都U-18)。4バック右から#20宮嶋大輝(3年・京都橘高)、#3西田航士朗(4年・京都橘高)、#5横山凌雅(4年・米子北高)、#7中野晃弥(4年・京都橘高)。中盤右から#8鎌田翔大(3年・京都橘高)、#10細島大空(4年・細田学園高)、#9里見龍太郎(4年・富山U-18)。前線右から#14上甲海琴(3年・近江高)、#11松村尚樹(3年・鹿島学園高)、#23川島優人(2年・近江高)。攻撃時には#9里見龍太郎が1列上がって左のワイドに入り4-2-4のような形になります。
試合開始。
前半4分、京都橘大・#7中野晃弥が自陣センターサークル付近から右サイドへ左足ロングフィード。右サイドでフリーの#20宮嶋大輝が胸で落として縦突破。クロスを上げようとするも甲南大#14松野隼輝がなんとか追いつき足に当ててCKへ逃れる。
前半4分、京都橘大の右CK。キッカー#7横山凌雅はショートコーナーを選択。ニアから寄せてきた#10細島大空がワンタッチで戻し、#7横山がPA内に流し込むと#8鎌田翔大?がワンタッチでマイナス中央へのパス。ここに走り込んだ#9里見龍太郎がダイレクトでシュートを放つも惜しくも枠の左。いきなり京都橘大がセットプレーで魅せる。
前半7分、甲南大陣内左サイドやや内側で京都橘大がファールを受けFK獲得。#10細島大空が右足で放った山なりのボールはファーサイドへ飛ぶが誰もさわれず枠の右へ逸れる。
前半8分、甲南大・#20西村日陽が中盤中央から敵陣右サイドへ流れてボールを引き出すとスピードに乗ったドリブルで前進。早めに相手DFとGKの間へクロスを流し込むが、これは京都橘大GK#31岡田修樹が前に飛び出しボールを回収。
前半12分、京都橘大の最終ラインでのボール回しから、甲南大・#26濱田蒼太が左サイドで相手のトラップミスからボールを奪取。自ら運んでPA手前からシュートを放つもミートを外し、転がったボールはGKが収める。
前半15分、京都橘大がビルドアップから一度GKへバックパス。GK#31岡田修樹がダイレクトで左足のロングフィード。これが#11松村尚樹に収まり、キープから#14上甲海琴へスイッチ。すぐさま#14上甲海琴が左足でシュートを放つも枠の右。
前半18分、京都橘大が敵陣右サイドから細かく繋いで崩しにかかる。しかし甲南大DFに阻まれ、中央PA手前にこぼれたボールを回収した#9里見龍太郎が左へ展開。#7中野晃弥がダイレクトで山なりのクロスをファーサイドへ。ここに#20宮嶋大輝が飛び込むもボールは枠の右。
前半20分、甲南大が人数をかけて中央から京都橘大の守備を崩そうとするもPA手前でボールを奪われ京都橘大がカウンター。#10細島大空がドリブルで運んで敵陣に進入すると十分に甲南大DFを引き付けたところで左へパス。良いタイミングで#9里見龍太郎にボールがわたり、#9里見は右から甲南大・#13有吉勇人が迫るのを見て右に切り返す。そこからシュートまでのイメージもあったはずだが甲南大・#13有吉が残した左足を必死に伸ばして切り返しに対応しボールをカット。甲南大は九死に一生を得る。
前半23分、甲南大が攻めの糸口を探るボール回し。最終ラインから#13有吉勇人が機を見て敵陣左サイドのスペースへロングパス。このボールを#3赤熊大和が左足ワンタッチでゴール前に直線的な浮き球クロス。しかしボールはGK正面。
前半24分、京都橘大・#5横山凌雅が最終ラインから強い縦パスを入れようとしたところ軸足が滑ってコントロールが乱れ、これを甲南大・#19與田拓海が回収。PA右に開いた#18清水健生にわたり右足で柔らかなクロス。#26濱田蒼太が走り込むがボールはややずれてGKがキャッチ。
前半25分、京都橘大・#14上甲海琴が自陣から敵陣左サイドへボールを展開。#9里見龍太郎に収まり、良いタイミングで#7中野晃弥が走って#9里見を外から追い越す。#9里見がボールを出し、#7中野がワンタッチで左足のクロスを入れるがボールはGKの正面へ。
前半26分に飲水タイム。
前半31分、京都橘大が敵陣中央やや左からFK獲得。#10細島大空の右足から大きく高いボールが放たれ、ファーサイドで#3西田航士朗が頭で折り返そうとするがヘディングしたボールはゴールラインを割る。
前半33分、京都橘大GK#31岡田修樹から右サイドへ大きく蹴ったボールが競り合いから前にこぼれて#14上甲海琴の足元へ。前に運ぼうとするが、甲南大・#10泉彩稀が猛追。相手に当ててタッチを割ることに成功。
前半34分、このスローインから甲南大・#26濱田蒼太が球際の奪い合いを制しコンタクトの強さを発揮して左サイドから内側へ運ぶと、センターサークル付近で#18清水健生、#20西村日陽とつなぎ、そこからさらにゴール前へ走り込む#18清水へと縦パスが入るも甲南大がさわってGKへバックパス。しかしそのボールに甲南大・#14松野隼輝が迫ってつま先でゴールを狙うが京都橘大GK#31岡田修樹がなんとか体に当てて阻止。こぼれ球も拾って危機を回避する。
前半34分、甲南大が自陣左サイドでボールを奪いカウンター。一度は京都橘大・#3西田航士朗に鋭いコンタクトでボールを奪われるも#3西田が体勢を立て直す間に再び甲南大・#20西村日陽が奪い返し、敵陣左サイドのスペースへ走り込んだ#3赤熊大和へ。PA左に進入した#3赤熊が自らシュートを放つと思いきや、追いすがる京都橘大DFの間を縫う横パス。PA中央に走り込んだ#18清水健生がゴール右へ蹴り込み甲南大が先制! 1-0
前半43分、京都橘大が中盤から浮き球で入れた縦パスを甲南大・#13有吉勇人が大きな身体を活かして胸でカット。ボールを#20西村日陽に預け、自らも前線へ走り出す。ボールが右サイドの#18清水健生へわたったところで#13有吉は右ポケットを指差し、中央から右へ走り出す。#18清水から縦にスルーパスが入るもボールが長すぎゴールラインを割ってしまい#13有吉の攻撃参加を活かせず。
前半45+3分、京都橘大・#10細島大空が敵陣左サイドの内側レーンでボールを持つと外側の#7中野晃弥へ。#7中野はワンタッチで更に内側の#9里見龍太郎へややマイナスのパス。その瞬間#10細島大空がDF裏の左ポケットへ走り出し、#9里見もワンタッチでボールを送る。受けた#10細島大空がグラウンダーでゴール前にボールを入れるが甲南大GK#21板敷洸大が横っ飛びでクロスをキャッチ。幅とって戻して裏を取るお手本のような3選手の関わりが見られた惜しいシーン。
甲南大が1点リードのまま前半終了。 1-0
両者ともハーフタイムの交代はなし。後半開始。
後半も序盤は京都橘大がリズムを掴む。後半6分、京都橘大が自陣から左サイドへロングパス。#9里見龍太郎がワンタッチで内側へ落とし、受けた#10細島大空が縦に運んでPAに迫る。PA左で#11松村尚樹へのパスは甲南大のカットが入ったものの浮いた球を#11松村尚樹がヘッドで落とし、#14上甲海琴がオーバーヘッド気味の左足ボレーでゴールを狙うが枠の上。
後半8分、甲南大の落ち着かない浮き球のパスを京都橘大・#5横山凌雅が左サイドセンターライン付近でカット。これを#9里見龍太郎が回収し#10細島大空とのワンツーで左ハーフレーンを抜け出してドリブル。さらに内側の#23川島優人にボールを渡して#23川島がPAの外から右足シュート。ボールは弧を描いてゴール右に吸い込まれ京都橘大が同点に追いつく! 1-1
後半17分に京都橘大が最初の交代。#23川島優人、#14上甲海琴を下げて#32楢﨑光成(1年・岡山U-18)、#2木村愛斗(3年・米子北高)を投入。#9里見龍太郎を1列上げて右WGとし中盤の左に#2木村が入りました。
後半20分、甲南大の自陣深い位置でのボール回しに京都橘大が前から圧力をかける。しかし甲南大・#13有吉勇人が機を見て中盤へ向けて縦パス。センターライン付近の#14松野隼輝がプレスを交わして前進し左サイドへ展開。#3赤熊大和が左サイド深い位置まで運んでクロス。ボールはファーサイドへ飛ぶが京都橘大・#7中野晃弥がしっかりと落下地点に入りヘディングでタッチへ逃れる。
後半27分に飲水タイム。
後半28分、甲南大は#20西村日陽と#18清水健生を下げて#22初田然(3年・清風高)と#24岡本大生(3年・奈良育英高)を投入。
後半30分、センターサークル付近で甲南大のカウンターになりそうなところを京都橘大・#10細島大空が潰してこぼれを#3西田航士朗が拾って前進し左サイドへ。受けた#2木村愛斗がPA左角で大外を回った#7中野晃弥へのパスの素振りを見せつつカットイン。自ら右足でシュートを放つも枠の上。
後半32分、中盤での球際激しい奪い合いからこぼれを甲南大・#10泉彩稀が拾って左へ展開。敵陣中央左ハーフレーンで受けた#3赤熊大和がすぐさま斜めに山なりの高いクロス。ファーサイドで#14松野隼輝が胸トラップからワンバウンドしたボールを華麗なスライティングボレーでゴールを狙うが京都橘大GK#31岡田修樹が素早く寄せて体に当て、浮いたボールをがっちりキャッチ。
後半37分、甲南大・#24岡本大生が敵陣中央で倒されFK獲得。ゲームが止まった間に甲南大は2枚替え。#2緒方章吾を下げて#29上野草汰(2年・興國高)、#26濱田蒼太を下げて#9河上英瑞(4年・丸岡高)を投入。
後半37分、FKを蹴るのは#10泉彩稀。左足から放たれたのはゴール右、相手DFラインの裏を狙うふわっと浮いたボール。ゴールラインを割りそうになるところを#29上野草汰が掬うように蹴りゴール前に戻すと、ゴールを背にしながらボールを見上げた#5當麻颯が迷わずオーバーヘッド。正確にミートしたボールがネットに突き刺さり甲南大が追加点! 2-1
後半41分、甲南大は#19與田拓海に代えて#25森勇聖(2年・興國高)を投入。
このまま逃げ切りを図りたい甲南大だったが後半43分、京都橘大・#7中野晃弥が自陣から敵陣右サイド深い位置へロングフィード。#9里見龍太郎が拾って股抜きパスで右ポケットに送り、内側PA内へ走っていた#20宮嶋大輝がワンタッチクロス。これをスライティングで止めようとした甲南大・#5當麻颯の右腕にボールが当たったとしてレフェリーは笛を吹きペナルティスポットを指して甲南大がPK獲得! そして蹴るのは京都橘大・#9里見龍太郎。力強く蹴ったボールはゴール左下へ。甲南大GK#21板敷洸大も読んで横っ飛びするも止められず再びスコアは同点に! 2-2
後半43分、京都橘大が2枚替え。#8鎌田翔大と#20宮嶋大輝を下げて#17中川樹(4年・京都橘高)と#29鵜戸瑛士(1年・近江高)を投入。#7中野晃弥が1列上がってボランチに。#17中川は左SB、#29鵜戸が右SBに。
後半45+6分、京都橘大が敵陣右サイド深めからのFK獲得。#17中川樹の左足から鋭く弧を描く良いボールがゴール前に入るも味方はさわれず。ここで試合終了の笛。 2-2
昇格組どうしの対戦に両者譲らず得点を上げドローという結果に。とても見どころの多いゲームで本稿も長めと記事となりました。京都橘大のゲームは初めて観戦したのですがどの選手もテクニックがありポジショニングも非常に有機的で誰と入れ替わっても攻撃の形を作れる良いチームでした。対する甲南大も昨季同じ2部で鎬を削った相手に優勝チームとしてプライドを見せましたが最後に不運な形で失点してしまいドローという結果に。どの選手もそれぞれの力を発揮して良いプレーを見せていましたが、甲南大で一段と輝いていたのはDF#13有吉勇人選手。守備はもちろん長短のキックは精度も高く攻撃参加も迫力がありました。京都橘大で目立っていたのは#9里見龍太郎選手と#10細島大空選手なのですけど、個人的に目を引いたのは#8鎌田翔大選手。中盤で相手に囲まれても細かく体を振ってボールの出しどころを相手に絞らせない動きをしていて、甲南大の選手もなかなか飛び込めない様子でした。
昇格組どうしとは思えない強度の高い試合で、特に京都橘大は初の1部昇格とは思えない堂々とした戦いぶりで、今季リーグの台風の目となりそうな予感がします。もちろん並みいる強豪相手に苦戦もあるでしょうが面白い試合を見せてくれそうです。甲南大もこの試合の#5當麻颯選手のオーバーヘッドもそうですが、そもそもスーパーな選手が多くいるので今季どんなプレーが見られるか期待が膨らみます。両チームとも次節以降の結果が楽しみです。