ヨドコウ桜スタジアムで行われた関西学生サッカー選手権の決勝戦、関西学院大学×阪南大学の試合を見てきました。雨が心配されましたがなんとか持ちこたえ、比較的明るい曇り空のもとでのキックオフとなりました。
関学大フォーメーションは4-2-3-1。GKは#22成田三太郎（2年・藤枝東高）。4バック右から#34山本楓大（1年・鳥栖U-18）、#27末次晃也（3年・鳥栖U-18）、#3稲田翔真（3年・神村学園高）、#13村上景司（3年・G大阪ユース）。今季めずらしいダブルボランチは#25佐伯清之助（3年・神戸U-18）と#6長尾優斗（4年・G大阪ユース）のコンビ。右サイドに#17高木大輝（4年・京都橘高）、左サイド#10倍井謙（4年・名古屋U-18）、トップ下#23美藤倫（4年・東海大付属大阪仰星高）、1トップ#9渡邉颯太（4年・草津東高）です。#7濃野公人（4年・大津高）は準決勝に引き続き欠場となりました。
対する阪南大は4-4-2。GKは準決勝に続いて#1李相彦（4年・新潟U-18）。4バック右から#2花田周勇（4年・九州国際大附属高）、#32巌真都利（熊本ユース）、#4野瀬翔也（3年・東邦高）、#16渡邉吏海（岡山U-18）。ダブルボランチは#8濱屋悠哉（4年・神村学園高）と#39工藤紫苑（2年・仙台ユース）。右サイドに#30羽坂豪（4年・流経大付属柏高）、左サイドに#7松井匠（2年・高知高）。2トップ#9三好麟大（3年・流経大付属柏高）と#10金本毅騎（1年・C大阪U-18）です。#14櫻井文陽（2年・阪南大高）は欠場となりました。
試合開始。
前半3分、阪南大・#7松井匠が敵陣左サイドでのキープからクロスを上げきり、ゴール前左の#9三好麟大がゴール前右の#10金本毅騎にパスを送るもさわれずクリアされる。
前半8分、阪南大・#16渡邉吏海が#7松井匠とのパス交換から中へ送り、#8濱屋悠哉がエリアの外からミドルシュートを放つも味方に当たったか枠の左。
前半9分、関学大・#10倍井謙が敵陣左サイドを#23美藤倫と二人で崩し、#23美藤がグラウンダーのクロスを入れるも阪南大・#4野瀬翔也がカットしGK#1李相彦が回収。
前半10分、関学大が自陣左サイドに押し込まれ、繋いで前方へ持ち出そうとしたところを阪南大に奪われ、阪南大・#30羽坂豪がPA手前右からカットインして左足のシュートを放つもミート弱くGKがキャッチ。
前半12分、阪南大・#9三好麟大が中盤中央でボールを持つと自らドリブルで持ち上がりPA手前で関学大DFに寄せられるも強引に振り抜いて右足のシュート。しかし体勢悪く大きく枠を外れる。
前半18分、関学大・#10倍井謙が敵陣左サイドをドリブルで運び、内側に入った左SB#13村上景司へ送ると#13村上が左ポケットに入った#9渡邉颯太へスルーパス。#9渡邉がPA左で左足を振り抜き強烈なシュートを放つが阪南大GK#1李相彦が冷静にシュートストップ。
前半19分、敵陣左サイドへボールを持って流れた阪南大・#10金本毅騎がマイナスへボールを戻し#16渡邉吏海がエリアの外から右足でファーサイドを狙ったシュート。しかしこれは枠の右。
前半29分、自陣右サイドへ押し込まれた阪南大だったが関学大のプレスをかいくぐり中盤中央、#10金本毅騎に渡ると右のハーフレーンを縦に走る#9三好麟大へ長いスルーパス。しかしパスが強すぎて合わない。
前半30分、関学大が阪南大陣内に攻め込み、隙を伺うようにボールを左右に動かす。#25佐伯清之助がPA右角の手前から左足でPA中央へ向けて斜めの浮き球パス。PA中央へ入った#10倍井謙がヒールで浮かせて自身の前方へボールを送るも阪南大・#32巌真都利がトリッキーなプレーに惑わされることなくこれをカット。
前半31分、関学大・#17高木大輝がテンポの良いドリブルで敵陣右サイドを突き、深い位置からのクロス。ゴール前、#9渡邉颯太がヘディングで叩きつけるもボールは高くバウンドしクロスバー！ 阪南大がクリアしたボールを関学大が再び拾って左サイドから中央へ。関学大・#6長尾優斗がエリアの外からミドルシュートを放つも阪南大GK#1李相彦がこれも弾き返す。
前半33分、またもや関学大が敵陣左サイドから#10倍井謙、#23美藤倫、#13村上景司と繋いで中央へラストパス。#9渡邉颯太が走り込んでいたがその前に阪南大・#4野瀬翔也が体を入れ大きくクリア、逆サイドのタッチへ逃れる。
前半36分に関学大の左CK。キッカー#6長尾優斗はゴール前からニアへ走り寄ってきた#9渡邉颯太へボールを出し、#9渡邉がマイナス方向へパス。これを受けた#10倍井謙がゴール前へ流し込み、そこへ#23美藤倫が走り込むというデザインされたプレーも、最後#23美藤がさわれず押し込めない。
ここで急激に雨が強くなり、土砂降りの状態に。
前半40分は阪南大のカウンター。敵陣右サイド深い位置に進入した#10金本毅騎がクロスと思いきやマイナスのパス。これを#8濱屋悠哉が右足ダイレクトでシュート。関学大GK#22成田三太郎が止めるもボールは前にこぼれ#30羽坂豪がゴールへ押し込もうとするが先に触ったのは関学大・#27末次晃也、ゴールラインへクリア。
前半42分、中盤右サイドのルーズなボールを阪南大が前へ前へと繋ぎ、最後は#10金本毅騎がPA右角手前からのミドルシュート。しかしこれはバーを越える。
前半43分、関学大が敵陣左サイドから攻め、逆サイドPA右へ入れたボールを阪南大がクリアするが、これを拾った関学大・#6長尾優斗がエリアの外からミドルシュート。しかし阪南大GK#1李相彦がしっかりと止めてこれを回収。
前半45分、関学大・#17高木大輝が敵陣右サイド深い位置からクロス。このボールは阪南大にクリアされるも、こぼれ球を拾った関学大・#25佐伯清之助がPA手前から左足で強烈ミドルシュートを放つもGK正面。
前半45＋2分、関学大が敵陣ペナルティアークからのFK。#17高木大輝が左足で直接狙うも枠の上。
両者得点のないまま前半終了。
ハーフタイムの交代は無し。叩きつけるような雨も上がり、スタンドから見えるような大きな水たまりなどもなく後半開始。
後半3分、阪南大が関学大陣内に攻め込み、こぼれ球を拾った阪南大・#8濱屋悠哉が右サイドからクロスを上げるが関学大GK#22成田三太郎がキャッチ。
後半8分、阪南大の左CK。#30羽坂豪の左足から放たれたストレートなボールはファーサイドのPAの外にいた#9三好麟大のもとへ。これを#9三好がダイレクトで蹴り、ボールはPA内の#7松井匠のもとへ。#7松井がシュートを放つも関学大#9渡邉颯太がこれをブロック。ゴールならず。
後半13分、阪南大・#7松井匠がドリブルで敵陣左サイドを攻める。PA左に進入しクロス。これがスライディングでブロックに行った関学大・#27末次晃也に当たりゴールラインを割るが阪南大はハンドを主張。しかしレフェリーに認められず。
後半17分、関学大は#25佐伯清之助に代えて#15塩﨑彰（4年・愛媛U-18）を投入。トップ下へ入り、#23美藤倫が#6長尾優斗とのダブルボランチに。
後半20分、阪南大のカウンター。中盤左サイドの#9三好麟大のキープから#7松井匠へスイッチ。そのままドリブルでPA左角手前まで進入。前に入ろうとする関学大DFをかわしながらカットインしてコースを作りペナルティアーク付近から右足を振り抜くが惜しくもポスト右。
後半21分、関学大は#34山本楓大に代えて#20吉田有志（3年・C大阪U-18）を投入。
後半21分、阪南大・#30羽坂豪が自陣から前方の#10金本毅騎へ左足で縦パス。#10金本はスピードを殺さぬままボールを受けドリブル。PAに入ったところで目の前の相手DFを振り切りシュートコースを作ろうとするが、関学大・#20吉田有志が怒涛のプレスバック。ボールを奪いピンチを回避。
後半23分、自陣からのロングボールを敵陣左サイドで待ち構えた関学大・#13村上景司がダイレクトワンタッチで中央へ。#15塩﨑彰、#9渡邉颯太、最後は#10倍井謙と繋いで#10倍井が中央PA手前から左足のシュート。しかし惜しくもバーの上。
後半25分、阪南大は#30羽坂豪を下げて#20中田有祐（1年・仙台ユース）を投入。#10金本毅騎と#20中田有祐の2トップ、#9三好麟大を右サイドへコンバート。
後半29分、関学大は#9渡邉颯太に代えて#11望月想空（4年・関西学院高）を投入。
後半33分、敵陣右サイドでボールを受けた関学大・#17高木大輝がドリブルで仕掛ける。縦に深く切り込むと見せかけ切り返しPA右へ進入。左足で強烈なシュートを放つも阪南大GK#1李相彦がしっかり反応。両手で弾き、こぼれ球を阪南大DFがクリア。
後半34分、阪南大・#7松井匠が左サイドでボールを運び、PA左角手前でマイナス方向のパス。敵陣中央でボールを受けた#8濱屋悠哉が右足ミドルシュート。しかしこれは枠の左。
後半35分、阪南大・#7松井匠が敵陣左サイドからサイドチェンジ。これを受けた#9三好麟大がPA右へ進入。切り返しで相手をかわし左足の外から巻いたシュート。しかし惜しくもポスト左。
そして訪れた後半38分、中盤敵陣右サイドでボールを繋いでいた関学大、#15塩﨑彰が左へサイドチェンジ。これを受けた#13村上景司に対し阪南大が寄せきれない。#13村上はフリーで左足の山なりクロス。ゴール前に入ったボールに飛び込んだのは関学大・#10倍井謙！ ヘッドで叩いたボールはワンバウンドして阪南大GK#1李相彦がさわるもゴールに転がり込み関学大が待望の先制点！ １－０
後半39分、関学大は#17高木大輝に代えて#14浦道翔（4年・長崎U-18）を投入。
阪南大も立て続けに交代。後半42分、#7松井匠と#9三好麟大の左右SHを#15森村俊太、#40川端元に交代。後半43分にも#10金本毅騎を下げて#17寺岡聖斗を投入。
ここからは関学大も無理に攻めない。ボールを奪っても敵陣のサイド深い位置でのキープに徹し時計を進める。
アディショナルタイムに入り阪南大は#15森村俊太のロングスローに望みを託すが、関学大ゴール前の守備は固くボールを押し込めない。結局1点のリードを守りきり関学大が勝利、7大会ぶりに関西選手権を制す！！ １－０
プロ入りが決まっている3選手を擁する関学大を相手に阪南大がよく守り、そしてよく攻めた試合でした。阪南大・#7松井匠のドリブルや#30羽坂豪の左足から出されるパスでチャンスを量産しましたし、守備においてもGK#1李相彦を中心に、攻撃力のある関学大を相手に4バックが簡単にはやらせず粘りのある守備を見せました。しかし相手のゴールに迫る場面は作れても1点が遠く、シュート数で相手を上回りながら1点に泣くという悔しい結果になりました。
関学大は強いのはもはや誰もがわかっているのですが、個人技の巧さやキレもさることながら、誰が出てもよく走りクオリティの高いプレーが維持できて、選手が代わりポジションが変わってもその質が落ちず同じことが90分最後まで続けられるところに他チームとの差を感じます。この試合でもそこが勝敗の分かれ目となったように思いました。
総理大臣杯まではやや日数がありますがどの選手もケガをすることなく、チーム力にさらに磨きをかけて大会に臨んでもらいたいです。
