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失意のリーグ最下位から決意のシステム変更で頂点へ! 関西選手権 決勝戦 京産大×同大 を見てきた!

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ヤンマースタジアム長居で行われた関西学生サッカー選手権の決勝戦、京都産業大学×同志社大学の試合を見てきました。
京産大のフォーメーションは4-4-2。GKは#12中村青(4年・京都橘高)。4バック右から#6大串昇平(4年・G大阪ユース)、#5横窪皇太(4年・金光大阪高)、#33逵村健斗(3年・三重高)、#2楠瀬海(4年・高知高)。ダブルボランチは#3田代紘(2年・神戸U-18)と#10伊藤翼(2年・C大阪U-18)。右SH#23山村朔冬(1年・帝京長岡高)、左SH#7石原央羅(4年・鳥栖U-18)。2トップは#11中田樹音(4年・岡山学芸館高)と#9菅野翔斗(4年・広島ユース)です。
対する同大は4-1-3-2。GK#21波多野崇史(3年・広島ユース)。4バック右から#11安井凌羽(3年・同志社香里高)、#3小山凌(4年・京都橘高)、#28鈴木良(3年・愛媛県立松山北高)、#2本田良輔(4年・東福岡高)。アンカーポジションに#6廣島大雅(4年・星稜高)。2列目右から#13馬場啓太朗(3年・大阪桐蔭高)、#17宗川遼哉(4年・岡山学芸館高)、#20中山織斗(2年・國學院大久我山高)。2トップは#10鹿取勇斗(3年・桐光学園高)と#9野頼駿介(2年・桐光学園高)です。

試合開始。
前半4分。京産大・#6大串昇平が自陣やや高い位置でボールを受けると前方左ハーフレーンへ向けてロングフィード。#7石原央羅が頭で中央へ落とし、#11中田樹音がペナルティアーク手前からシュートを放つも枠の右。
前半6分、京産大・#10伊藤翼が敵陣左サイド深い位置から戻されたボールを逆サイドへ展開。PA右で#23山村朔冬が右足ダイレクトで折り返すがGKキャッチ。
前半9分に京産大がビッグチャンス。自陣深い位置から京産大・#2楠瀬海のクリアボールを京産大・#11中田樹音が自陣高い位置からダイレクトで相手DFの裏へ浮き球スルーパス。これに反応した#7石原央羅がGKとの1対1を迎えるもシュートは同大GK#21波多野崇史のセーブに阻まれる。こぼれ球を京産大・#9菅野翔斗が押し込もうとするが枠の左。
前半10分、同大が敵陣中央右サイドからスローイン。#28鈴木良のロングスローは一度敵に跳ね返されるも再び#28鈴木良の足元へ。ファーサイドへの斜めのクロスに#9野頼駿介が頭で合わせるが体勢十分でなくボールは枠の左にそれる。
前半12分、同大GK#21波多野崇史が自陣中央から最前線へロングフィード。味方には合わず京産大・#5横窪皇太が収めて右サイド#6大串昇平へ渡すが、同大・#20中山織斗が時間を与えないプレスでボールを奪うとそのままPA左へ進入。右足でファーサイドへ流し込み同大が先制! 0-1

先制された京産大だったがリードを許した時間はわずか。前半17分。自陣左サイドでプレスを受けGKへ戻すとGK#12中村青が逆サイドの#6大串昇平へ展開。#6大串がダイレクトで最前線へ大きく蹴り出すと#9菅野翔斗が落として#11中田樹音が収めて前進。PA手前まで運んで左サイドでフリーの#7石原央羅へパス。PA左角から仕掛けて縦にドリブル突破。左足の鋭いグラウンダークロスに同大GK#21波多野崇史が反応し左手を伸ばすが弾いたボールは無情にもゴールの中へ転がり込み京産大が同点に追いつく! 1-1

前半21分、同大の右CKからPA内で混戦。同大がカットしたボールが右サイドにいた#2楠瀬海の足元へ収まりカウンター。敵陣中央右サイドまで運んだところから山なりのアーリークロス。左ハーフレーン、PA手前から#11中田樹音が左足ダイレクトでボレーを放つもミート弱くGKキャッチ。
前半31分、同大#2本田良輔が自陣左サイドでプレスを受けるも右足へ持ち直して自陣中央#6廣島大雅へ。#6廣島が中盤左サイド#20中山織斗へ開いてプレスを脱すると#20中山が#10鹿取勇斗、続けて#9野頼駿介と縦のパス交換で突破を図る。しかし京産大#33逵村健斗のしつこい寄せに手を焼き、たまらず敵陣中央で#17宗川遼哉へスイッチ。そのタイミングで中央を#10鹿取勇斗が、左サイドを#2本田良輔が裏のスペースを狙って走り出し京産大は思わずラインを下げる。前が空いた同大#17宗川遼哉がPAの外から思い切って右足を振りミドルを狙うも枠の左。
すぐ後の前半32分、京産大のビルドアップに同大がハイプレス。こぼれ球を同大が拾って#17宗川遼哉が右ポケットへ縦にスルーパス。#9野頼駿介が深い位置から中へクロスを入れるもニアでGKがキャッチ。
前半33分、同大GK#21波多野崇史が京産大のプレスをいなして中盤中央へ低く鋭いロングキック。これを#17宗川遼哉が収め縦に運び一度右サイドの#11安井凌羽に預ける。相手のプレスバックを受けた#11安井が#17宗川遼哉とのパス交換でかわして逆サイドへ展開。#20中山織斗が左ポケットで受けて自らシュートかと思いきや右へグラウンダークロス。ここに敵はいなかったが味方も入れず得点とはならない。
前半39分、京産大が自陣高い位置からのFK。GK#12中村青のロングキックをPA内で同大が跳ね返すも拾ったのは京産大・#7石原央羅。PAの外から右足を振るが大きくバーを越える。
前半45+1分、京産大自陣からのクリアボールを中盤右サイドで同大・#6廣島大雅が拾って縦にボールを入れ#9野頼駿介が右サイドからPA内の#10鹿取勇斗へ預ける。#10鹿取のトラップ際を京産大・#5横窪皇太が必死にかき出すが、こぼれた浮き球を同大・#13馬場啓太朗がPAの手前から左足ダイレクトでシュート。しかし惜しくも枠の左。
同点のまま前半終了。 1-1

序盤は京産大ペースも同大も尻上がりにペースを掴みチャンスを作った前半。リーグ戦ではないので先々を考え慎重となったかハーフタイムに選手交代はなし。

後半開始。
後半2分、中盤敵陣左サイドで同大がFK獲得。#10鹿取勇斗の右足のキックはファーサイド、DFラインとGKの間、#20中山織斗の前に転がり込むが京産大GK#12中村青が体を投げ出して阻みCKへ逃れる。
後半10分、中盤左サイドで同大・#2本田良輔が相手のプレスをいなして右足の縦パス。#20中山織斗がワントラップからすぐさま相手SBの裏へスルーパス。#10鹿取勇斗が抜け出しPA左角の外から右足でふわっと山なりのクロス。ボールはDFとGKの間へ入り#9野頼駿介が飛び込むが惜しくもさわれない。
後半11分、中盤右サイドで京産大・#6大串昇平がボールを受けるとドリブルで縦に持ち上がってアーリークロス。PA中央で#9菅野翔斗が絶妙なトラップでシュート体勢に入ろうとするも、京産大GK#21波多野崇史も好判断、素早く前に飛び出してボールを弾きシュートを打たせない。
後半13分、両者交代カードを切る。同大は#13馬場啓太朗に代えて#8前田一勇(3年・星稜高)を投入。京産大は#7石原央羅、#23山村朔冬の両サイドを下げ、#15末谷誓梧(2年・C大阪U-18)、#8城水晃太(4年・広島ユース)を投入。
後半16分、同大・#20中山織斗が左サイドからドリブルで仕掛けて深い位置からマイナスのクロス。しかし相手DFに当たりGKが抑える。
後半20分、同大・#17宗川遼哉に代えて#12楠見堅(4年・福岡県立修猷館高)を投入。
後半24分、同大・#12楠見堅が敵陣中央でドリブルを仕掛けたところに京産大・#3田代紘が足を出し交錯。倒れ込んだ#3田代が広げた左腕がボールを抱える形になってしまいハンドの判定。
後半25分、これで得た同大のFK。右ハーフレーンのPA手前。キッカー#10鹿取勇斗が味方の位置を何度も見て蹴ったボールはまさかのニアサイド。2枚の壁の右を抜け、GKが必死に手を伸ばすもボールはゴール右へ吸い込まれ、同大が追加点! 1-2

後半29分、京産大・#6大串昇平が敵陣右サイドを力強いドリブルで相手を置き去りにし、#8城水晃太との縦のパス交換でPA右角へ進入。ループ気味にシュートを狙うもバーを越える。
後半31分、敵陣右サイドで同大・#28鈴木良のロングスローは京産大がクリアするも、再び右サイド浅い位置で拾った#28鈴木良が短くカットインしてから左足のクロス。中で#12楠見堅が頭から飛び込み同大が京産を突き放す!・・・と思いきや判定はオフサイド。追加点ならず。
後半31分、同大は#9野頼駿介に代えて#15山崎陸成(3年・星稜高)を投入。#12楠見堅が一列下がり#10鹿取勇斗と横並びとなり#15山崎を1トップにした5-4-1の形に。
京産大も交代カードを切り、#11中田樹音に代えて#72皿良立輝(1年・C大阪U-18)を投入。#72皿良をトップ下とした4-2-3-1で追撃を図る。
しかし次のチャンスも同大。後半38分、京産大に攻め込まれたが自陣中央で#20中山織斗がボールを奪ってカウンター。センターサークル付近で敵に囲まれるもスルーパスを通し広大なスペースへ#8前田一勇が走り込む。PAやや右へ進入し右足シュートはニアサイドを狙うもここは京産大GK#12中村青のセーブに阻まれる。悔しそうに何度も天を仰ぐ同大・#8前田一勇。
後半40分、京産大・#5横窪皇太が自陣中央から前線へロングキック。#9菅野翔斗が同大・#6廣島大雅に競り勝ち落としたボールを#72皿良立輝が拾って前進。敵3人に囲まれるも細やかなタッチで相手に触らせず右ハーフレーンで縦にスルーパス。#8城水晃太が走り込むが同大・#2本田良輔が必死で戻りタッチへ逃れる。
後半44分、同大の右CK。#10鹿取勇斗のキックは京産大にクリアされるも、そのクリアボールをPAの外から同大・#20中山織斗がダイレクトボレー。しかしボールは枠の上。
アディショナルタイム4分が提示されたがその後もスコアは動かず試合終了。1点のリードを守りきり同志社大学が14年ぶりの優勝!! 1-2

4-4-2で臨んでいたリーグ戦はなかなかうまくいかず最下位に沈む同志社が選手権前にミーティングを開いて5バックにすることを決断。それが見事に功を奏し難敵を退け優勝を勝ち取りました。この決勝戦で光ったのは同大の守備の良さ。相手SBにボールがわたったときにスイッチが入り、1~2列目の5人によるハイプレスが京産大にビルドアップを許さず、そこから先制ゴールが生まれました。相手がプレスを逃れロングボールを入れれば#3小山凌と#6廣島大雅の高さがボールを跳ね返しチャンスを作らせません。攻撃面では左SB#2本田良輔が相手のプレスに対し半身で右足に持ち替えてのパスが起点となるシーンがよく見られました。そしてなんといっても#10鹿取勇斗のFK。意外性のある直接シュートは見ているほうも虚を突かれ、蹴った瞬間思わず驚きの声が出てしまいました。キャプテン#5國嶋康介(4年・桐光学園高)とCB#4金沢一矢(4年・京都橘高)を怪我で欠くなかでの安定した戦いぶりは今後のリーグ戦、そして総理大臣杯での活躍を期待させます。
一方の京産大は個人それぞれはさすがのプレーを見せてくれるのですが、同大のプレスに手を焼き、なかなか攻撃の形が作れませんでした。途中出場だった#72皿良立輝はボールを引き出す動きや、ボールを受けて捌くプレーが期待できるのでプレスをかいくぐる意味でももっと早く投入があるかと思いましたが投入はリードされてからでした。コンディションなど何か問題を抱えていたのかもしれません。今後この試合の結果を他チームも参考にしてくるでしょうし、チーム全体のさらなるバージョンアップは至上命題です。

9月上旬に開催される総理大臣杯は今年から大会方式が変更され全国32チームによるシード無しの5回戦で戦う大会となり、それに伴って関西チームの出場枠も4から6へと拡大されました。同志社大学、京都産業大学、関西大学、大阪学院大学、大阪経済大学、阪南大学が出場。昨季関西選手権優勝の関西学院大学や、天皇杯での活躍も記憶に新しい甲南大学が出場ならずというのは残念な気持ちもしますがそれはともかく、出場権を得た6チームが一つでも上へと勝ち進んでくれることを期待したいです。

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