
2025年6月22日(日)に三木総合防災公園陸上競技場で行われたアミノバイタルカップこと関西学生サッカー選手権の準々決勝、大阪学院大学×立命館大学の試合を見てきました。
大院大は前の試合4回戦で関西福祉大学を相手にシュート17本を放ち、#78大石翔真(2年・城陽高)のハットトリックを含む4得点無失点の完勝。この試合もシュート乱発となるのでしょうか。スタメンは4回戦と全く同じ。大院大のメンバー表ではDF2名と提出してるのでフォーメーションをどう表記するかいつも迷いますが今回は実質4-2-3-1。GKは#21大野航暉(4年・高岡第一高)。4バック右から#6木場慶太(4年・大阪学院大高)、#4岡田佳己(4年・京都橘高)、#55清水俊(2年・大阪学院大高)、#7鈴木聡太(2年・C大阪U-18)。ダブルボランチは#18山中奨(4年・米子北高)と#8山本未来翔(4年・大阪学院大高)。右SHに#10青木玲(4年・大阪学院大高)、左SH#16北田統士(4年・大阪学院大高)。トップ下に#22鳥井禅音(2年・広島ユース)を置いて1トップ#78大石翔真です。
対する立命大は前の試合4回戦では大阪体育大学から3得点を奪って撃破。1部リーグの直近5試合では大体大に得点数では上回り失点数では下回る大院大(順位は現在前期第10節を終えて6位大体大、10位大院大)をも打ち破ってしまうのか注目です。こちらもスタメンは4回戦と同じメンバー。フォーメーションは3-1-4-2。GKは#21三反畑篤樹(2年・京都U-18)。3バック右から#16長沼政宗(2年・神村学園高)、#5加藤寛人(4年・高川学園高)、#29木村誠之輔(3年・C大阪U-18)。アンカーに#10市河太一(4年・岡山U-18)。右WBは#11阿部将太郎(4年・浜松開誠館高)、左WBに#4大坪謙也(4年・京都U-18)。2列目は#8秋葉拡人(4年・川崎U-18)と#7石川己純(4年・阪南大高)。2トップ#9守岡晃希(4年・鹿児島実業高)と#36山﨑遥稀(1年・鳥栖U-18)です。

試合前にコートチェンジ。この日は風がかなり強め。大院大が風上側に立って試合開始。
前半2分、大院大自陣からのロングキックを立命大DFが跳ね返し、中盤で大院大・#18山中奨が回収。前方の#8山本未来翔に縦パスを差し込むと立命大DFが踏み込んでくるがなんとか耐えてバックパス。#22鳥井禅音が右サイドへ展開。敵陣右サイドで#10青木玲が受けると浅い位置から左足でアーリークロス。ゴール前に#78大石翔真と#16北田統士が走りこむが立命大GK#21三反畑篤樹がキャッチ。
前半3分、立命大の中盤からの長いボールを大院大がクリアしようとするが#11阿部将太郎が中盤敵陣右サイドやや内側でひっかけ素早く縦にショートパス。#9守岡晃希が受け縦突破と見せかけカットイン。ペナルティアークの手前から左足を振るも大きく枠の上。
前半4分、大院大GK#21大野航暉が相手3バックの脇を突いて敵陣左サイドへロングキック。これに#16北田統士が追いつきドリブルで左ポケットへ進入。深くえぐるも立命大がなんとかクリア。しかしボールは大院大が回収し、右サイドへ展開。#8山本未来翔から相手WBとCBの間を通すスルーパスに#10青木玲が走り込みフワリと柔らかい右足クロス。ゴール前の選手たちの頭上を超えるがファーサイドに走りこんでいた#7鈴木聡太が左足ダイレクトで鋭いグラウンダーのクロス。ゴール前で立命大・#8秋葉拡人が反射的に出した右足に当たり、ボールはゴール方向へ飛びあわやオウンゴールかと思われたがわずかにポスト右。
前半6分、立命大が中盤敵陣左サイドにいた#7石川己純へパス。背後から迫る相手選手を鋭いターンで振り切ると敵陣左サイドのスペースへ走りこんだ#4大坪謙也へ。#4大坪がクロスを入れ大院大DFがクリアを図るもボールは高く上がって落ち際を立命大・#7石川己純がダイレクトでシュート。しかし大院大・#4岡田佳己がしっかり体を入れブロック。中央PAの外へとこぼれたボールを立命大・#11阿部将太郎が浮き球でゴール前に入れようとするが大院大・#55清水俊がヘディングでクリア。
前半10分、大院大・#55清水俊が自陣左サイドでボールを回収。左足で高いラインを敷いていた敵DFの脇へ縦パス。これを受けようと走った#78大石翔真の後ろから立命大・#5加藤寛人が体をぶつけホイッスル。イエローカードの判定。
前半13分、立命大のビルドアップ。GK#21三反畑篤樹のもとへ大院大・#16北田統士が猛然とプレスをかけボールをひっかけることに成功。PA右へのこぼれ球を#10青木玲が回収しカットインから左足でグラウンダーのシュート。しかしミート弱くGKがセーブし回収。
前半16分にも立命大のビルドアップに大院大が前からプレス。敵陣中央で#18山中奨が回収しペナルティアーク手前の#16北田統士へ縦パス。#16北田がワンタッチで前に送り#78大石翔真がPA中央で受けるも敵に囲まれシュート打てず。左にこぼれたボールに大院大・#8山本未来翔が反応し走りこむも立命大DFが足を出してCKへ逃れる。
前半17分、CKは立命大が跳ね返すも大きくクリアはなかなかできずセカンドボールをことごとく大院大が回収。右サイドから#10青木玲が左足で高く山なりの斜めのボールを入れると、ボールはペナルティアークで大きくバウンド。長身の立命大・#29木村誠之輔の頭上を越え、大院大・#78大石翔真がダイレクトでシュートを放つも立命大GK#21三反畑篤樹が体に当ててセーブ。同時に旗が上がりオフサイドの判定。
前半19分、立命大のビルドアップに再び大院大が前からプレスをかけ立命大に大きく蹴らせることに成功するもセカンドボールは立命大に奪われあっさり裏返される。なんとか大院大がボールを回収しGKへバックパスするも大きくずれて大院大GK#21大野航暉が前に蹴ったボールは立命大が回収。左サイドへ展開し、#4大坪謙也がゴール前へクロス。#9守岡晃希がジャンプしてヘディングシュートを放つも体が伸び切り叩きつけることはできず枠の上。
前半24分、大院大のクリアボールを中盤右ハーフレーンで#10市河太一がダイレクトで縦パス。#7石川己純にわたりドリブルで敵陣中央へ運んで左サイド1列内側の#4大坪謙也にパス。その背後から左サイドへ#8秋葉拡人がフリーランするもそこは使わず内側へ少し運び#4大坪自らエリアの外から右足のミドルシュート。低い弾道で飛んだボールはGK正面。
前半25分、大院大のビルドアップ。GKからCBへのパスがずれ、立命大・#7石川己純が敵陣左サイドでボールを奪うとドリブルで運んでPA左角の手前からクロス。PA右で#11阿部将太郎が受けるとシュートを打たせまいと大院大GK#21大野航暉がブロックの体勢を取るが立命大・#11阿部の選択は逆サイドへのクロス。完全にフリーだった#7石川己純が浮き球クロスにダイレクトで左足を合わせるもミートできず右サイドへ飛んでタッチを割ってしまう。
前半28分に5分間のクーリングブレイク。
互いに決め手を欠く時間が続いておとずれた前半40分、自陣左サイドから大院大がスローインをしGKへ戻すと立命大が前からプレス。右サイドへ展開して回避を図るがこれを立命大がひっかける。立命大・#36山﨑遥稀が敵陣左サイドからスルーパス。ボールに先に追いついてのは大院大・#4岡田佳己だったがボールを体で隠そうとしたところを立命大・#7石川己純に体を当てられボールロスト。#7石川はGKがニアへ寄ってきてるのを確認するとそれをあざ笑うかのような右足のループシュート。ボールはゴール右のサイドネットへ吸い込まれ立命大が先制! 0-1
前半45+4分、中盤右サイドでボールを奪った立命大・#9守岡晃希に対し、大院大・#18山中奨がスライディング。ボールではなく足を刈るような形になりホイッスル。イエローカードが提示される。
立命大リードのまま前半終了。 0-1
ハーフタイムの交代は無し。後半開始。
早々とスコアが動く。後半3分、立命大の左CK。#10市河太一のキックは大院大GK#21大野航暉がパンチングでクリア。ボールはPA右角からエリアの外へ流れる。立命大・#7石川己純が追いつき反転してダイレクトでゴール前へ鋭いクロス。ニアサイドにいた大院大・#8山本未来翔が反射的に左足を出し、当たったボールはゴール右に吸い込まれ痛恨のオウンゴール。思わぬ形で立命大が追加点! 0-2
後半4分、敵陣中央でボールを受けた#8秋葉拡人?だったが大院大・#22鳥井禅音に貼りつかれ前を向けずバックパス。#16長沼政宗が受けて中盤からPA中央めがけてロングキック。#9守岡晃希がバックヘッド気味でゴールを狙うがボールは惜しくも枠の上。
前半はシュート1本にとどまり、なかなかゴールが狙えない大院大だったが後半7分、敵陣左サイドを#8山本未来翔がドリブルで敵陣半ばまで運び中央へパス。#22鳥井禅音が右足で細かくコントロールしてPAの外から左足一閃。ゴール左上に突き刺し1点を返す! 1-2
後半9分、大院大が最初の交代。#10青木玲と#18山中奨を下げ#14床大空(2年・静岡学園高)と#150遠藤楓仁(2年・G大阪ユース)を投入。#16北田が右SHに移って#14床は左サイドへ。
後半18分、敵陣中央でボールを受けた#150遠藤楓仁がPA中央へ鋭い縦パス。#22鳥井禅音が受けるも前は向けずPAの外へ落とす。ペナルティアークの右で#6木場慶太が受けファーポストの#78大石翔真へ向けて低い浮き球のパス。しかしボールはやや後方に入りうまく反応できず体に当てるのが精一杯になってしまいシュートに至らず。
後半21分、大院大・#14床大空が敵陣右サイドで二人をかわし一列内側へパス。#8山本未来翔は逆サイドへボールを送る。PA右で#16北田統士が受けてマイナスへ落とし中央に入ってきた#6木場慶太が右足でシュートを放つもポスト左へ逸れてしまう。
後半22分、立命大自陣からのロングキックを大院大が跳ね返し、右サイドで立命大・#9守岡晃希が回収。横から寄せる相手を置き去りにし右サイドを深くえぐってゴール前へグラウンダーのクロス。しかし大院大GK#21大野航暉が素早く体を倒してキャッチ。
後半23分、立命大は#7石川己純を下げて#38石澤直弥(3年・立命館守山高)を投入。#36山﨑遥稀が1列下がって#38石澤は2トップの一角へ。
後半25分、大院大がさらに2枚替え。#6木場慶太と#16北田統士を下げ、#157後藤雅人(1年・大分U-18)と#20鈴木仁也(4年・鹿島学園高)を投入。
後半27分にクーリングブレイク。
後半35分、立命大は#8秋葉拡人に代えて#42藤井蒼斗(2年・高川学園高)を投入。
さらに後半42分、#9守岡晃希と#36山﨑遥稀を下げ、#20小森八万豊(3年・京都先科大附属高)と#18野見明輝(2年・広島国際学院高)を投入。
ここまで攻勢を強めるもシュートに至らない大院大も後半42分、#78大石翔真を下げ#23富岡信ノ助(4年・静岡学園高)を投入。#23富岡を左SBに入れ、#20鈴木仁也の1トップ、その下に#14床大空、右に#22鳥井禅音、左に#7鈴木聡太という形に。
クーリングブレイクがあったためアディショナルタイムは9分。
後半45+6分、大院大最終ラインが高い位置でボールを回そうとしていたところを立命大・#20小森八万豊が詰めてボールを奪い中央を走る#38石澤直弥へパス。PAに差し掛かるところまで運び左足の強烈なシュート。しかし大院大GK大野航暉が意地のセーブを見せ追加点を与えない。
最終盤、大院大は#4岡田佳己を最前線に加えパワープレーを試みるも後半は風下側のためロングキックが思うように伸びない。立命大DFの壁も高くなかなか競り勝てない。
後半45+8分、立命大が最後の交代、#10市河太一に代え#15小島清太郎(3年・帝京大可児高)を投入。結局立命大が最後まで逃げ切って試合終了。 1-2
2部に所属する立命大が4回戦の大体大に続き、準々決勝でも1部のチームを破る結果となりました。この試合でも立命大は五分五分のボールに対してはしっかり体を当てて相手の自由にさせず自分たちのボールにする場面が目立ちました。先制のシーンも同様で、#7石川己純がボールを相手から奪って右足で美しい弧を描くビューティフルゴール。素晴らしかったです。ボールを奪う逞しさで見るとどちらが1部チームかわからない、そんな印象さえ受けました。
大院大は前半、前からプレスをかけて相手のビルドアップを捕まえるシーンが何度かあり、これが功を奏すかに思われたのですが、最終ラインがそれほど高くなく陣形が間延びしているため、せっかく立命大に蹴らせることに成功してもセカンドを取れない場面が散見されました。また、大院大の必勝パターンの一つとして、#10青木玲を中心に右サイドでチャンスを作り、クロスからファーポストで#16北田統士が仕留めるというパターンがあると思うのですが、この試合では#10青木玲にボールが入ると立命大の選手3人一度に寄せられボールを奪われるということが多く、なかなかクロスを上げることができませんでした。シュートは前後半合わせて3本。4回戦と比べ如何に苦しめられたかがわかります。
準決勝に勝ち進んだ立命大の次の相手は阪南大学。プロ入りが決まった選手が何人もいる強敵ですが、三たび立命大が強さを発揮することができるでしょうか。準決勝は6月26日(木)開催。期待しましょう。







