2024年11月3日(日)にヤンマーフィールド長居で行われた後期第9節、甲南大学×同志社大学の試合を見てきました。
前節は京産大に敗れ順位を一つ下げ5位となった甲南大。今季インカレ関西代表枠は阪南大の除くと5枠で実質6位以上となっており、後期第8節終了時点で4位大院大から7位大体大まで4チームが勝点3差内にひしめく状況。勝点3を持ち帰って順位転落は避けたいところ。フォーメーションは3-4-2-1。GKは#21板敷洸大(4年・大阪桐蔭高)。3バック右から#13有吉勇人(3年・瀬戸内高)、#5當麻颯(4年・G大阪ユース)、#4片山敬介(2年・飯塚高)。ダブルボランチは#25森勇聖(2年・興國高)と#10泉彩稀(3年・神戸U-18)。右WBに#18清水健生(4年・阪南大高)、左WB#12坂口叶夢(3年・東福岡高)。シャドーに#20西村日陽(3年・磐田U-18)、#14松野隼輝(4年・神戸弘陵学園高)。1トップ#33大西悠斗(3年・有馬高)です。
対する同大は後期第6節で阪南大を破った勢いそのままに3連勝。後期第5節からは順位こそ一つ上げての9位にとどまっていますが勝点9を積み上げ23となって勝点15で11位の立命大を引き離し、降格圏を離脱しつつあります。今節さらなる積み上げができるでしょうか。フォーメーションは4-4-1-1。GKは#1祓川ダニエル(3年・同志社高)。4バック右から#11安井凌羽(3年・同志社香里高)、#18馬場拓己(3年・桐光学園高)、#4金沢一矢(4年・京都橘高)、#28鈴木良(3年・愛媛県立松山北高)。ダブルボランチ#14中里圭佑(4年・清水ユース)と#6廣島大雅(4年・星稜高)。右SHに#8前田一勇(3年・星稜高)、左SH#20中山織斗(2年・國學院大久我山高)。1.5列目に#10鹿取勇斗(3年・桐光学園高)、最前線は#9野頼駿介(2年・桐光学園高)です。
試合開始。
前半4分、同大・#8前田一勇が敵陣右サイドで相手DFとの1対1から振り切ってクロス。一度はクリアされるも右サイドでボールを拾ったのは同大・#11安井凌羽。PA中央のスペースへピンポイントクロス。#10鹿取勇斗が飛び込み頭で合わせるも惜しくも枠の右。
前半5分、押し込まれながら自陣でボールを奪った甲南大。最終ラインへ戻すと#5當麻颯がロングフィード一発で形勢を裏返す。敵陣右サイドで#20西村日陽が受けて内側に走ってきた#18清水健生へパス。#18清水がボックス手前の#33大西悠斗に当て、#33大西がワンタッチで落とすと走り込んだ#25森勇聖が左足ダイレクトでミドルシュート。鋭いボールがゴール上へ飛ぶが同大GK#1祓川ダニエルも素早い反応を見せ両手で枠の外へと弾き出す。スタンドからのため息と歓声が入り交じる。
前半6分、これで得た甲南大の右CK。#14松野隼輝のキックに#4片山敬介がニアで頭を合わせるも惜しくも枠の右。
前半12分、中盤での相手のプレスの背後のスペースでうまくボールを受けた甲南大・#25森勇聖が右サイドへ展開。#18清水健生が寄せてくる相手を避けるように器用に右足を振ってアウトスイングの巻いたクロス。ファーで#33大西悠斗がジャンプしヘッドで中へ折り返すが同大がクリア。
しかしここでアクシデント。甲南大・#33大西悠斗が着地時に手の着き方が悪かったのか左肘を押さえたまま倒れ込んでしまう。担架が呼ばれるが自ら立ってピッチ外へ。
前半13分過ぎに試合再開。交代選手はまだ用意されず甲南大は10人のままでのプレーとなる。
前半16分、最終ラインでボールを回す同大。ゆったりしたリズムでボールを受けた#4金沢一矢が敵陣左ハーフレーンの#10鹿取勇斗へ鋭い縦パス。これが通り#10鹿取が#9野頼駿介とのワンツーで前進。さらにPAへ向けて斜めのスルーパス。#9野頼駿介が滑り込みながらシュートを放ち、ボールはゴール左へ吸い込まれ同大が先制! 0-1
ここでようやく甲南大が選手投入。#33大西悠斗に代えて#27諏訪晃大(2年・桐生第一高)がピッチへ。
前半17分、甲南大・#5當麻颯が前方へ蹴り出そうとしたボールが同大・#9野頼駿介に当たる。高く上がったボールを#9野頼が収め、寄せる相手を体で抑えてキープし左サイドへ展開。#20中山織斗が相手との1対1からかわして左ポケット深いところをえぐってマイナスクロス。ゴール前中央に#8前田一勇が飛び込むがシュートには持ち込めない。
前半19分、敵陣左ハーフレーンへボールを受けに来た#10鹿取勇斗へ、#28鈴木良が自陣から縦パス。#10鹿取は一旦中央の#9野頼駿介へ預け、自身は相手CBの間を突いて走り込む。#9野頼がそれに合わせて斜めのスルーパス。PA左へとやや流れたものの#10鹿取がボールを収め、左足から右足へ素早く持ち替えてファーを狙ったシュート。しかし甲南大・#13有吉勇人がなんとか足に当ててボールを枠の上へと弾き出す。
前半20分、同大の左CK。ファーサイドに飛んだボールは甲南大にクリアされるもこぼれたボールを右サイドで拾ったのは同大・#20中山織斗。PAに向かって斜めにドリブルで進入。エリア内で倒れるが笛は鳴らず。しかしこぼれ球を#14中里圭佑がダイレクトで右足振り抜くも惜しくも枠の上。
前半31分、同大のビルドアップでSBに入ったところを囲んでボールを奪った甲南大。#13有吉勇人が右サイドの大きく空いたスペースへ縦パス。受けた#20西村日陽が右からえぐってポケットからの浮き球クロス。相手DFに当たるも落ちたところにいたのは交代で入った#27諏訪晃大。左足を振るがグラウンダーのシュートは甲南大GK#21板敷洸大がしっかりと抑える。
前半39分、甲南大が自陣高い位置から#4片山敬介、#10泉彩稀、そして#20西村日陽とテンポよく縦パスで繋いで#20西村がドリブル開始。中央から左ハーフレーンへと運んでエリアの外から左足のシュート。しかし惜しくもポスト右へそれてしまう。
前半41分、甲南大・#18清水健生が敵陣右サイド深い位置でボールを受け、上がってきた#13有吉勇人へボールを戻す。中央の#10泉彩稀へ横パスへ入れるところを同大・#9野頼駿介がプレスバックでカットするがボールはPA中央にいた甲南大・#25森勇聖の足元へ。前を向いて左足を振るが同大・#18馬場拓己が立ちはだかりブロック。
前半45+1分、中盤右サイドでボールを受けた甲南大・#18清水健生が一人かわしてドリブルで駆け上がる。PA中央に向けて斜めのスルーパスを試みるも相手DFに当たってしまうがボールは再び#18清水の足元へ。ダイレクトで右足のシュートを放つがボールは浮いて枠の上。
同大リードのまま前半終了。 0-1
両者ともハーフタイムでの交代はなし。
後半開始。
後半5分、中盤敵陣まで上がっていた同大・#18馬場拓己が前方の#14中里圭佑へ縦パス。背後から迫る相手を察知した#14中里がひらりとターンしながらダイレクトで右ハーフレーンへ縦にはたき、受けた#9野頼駿介がPA右からクロス。中央へ進入した#20中山織斗がダイレクトで右足シュートを放つも枠の上。
後半6分、中盤右サイドからの同大のスローイン。#11安井凌羽が高く放り投げたボールは#10鹿取勇斗の頭上へ。甲南大・#4片山敬介が寄せようとするも同大・#9野頼駿介がスクリーン。#10鹿取がヘッドで落としたボールは右サイドにいた#8前田一勇の足元へ。斜めにPAへ進入してシュートを放つがグラウンダーのボールはやや威力なくGKキャッチ。
後半12分、同大・#18馬場拓己がハーフウェイラインを超えた位置から縦パス。#8前田一勇に入ったトラップ際を甲南大に奪われるも同大はすぐさま切り替えて#10鹿取勇斗、#14中里圭佑、#28鈴木良で囲んで行く手を阻む。こぼれ球は左サイド#20中山織斗が収めてドリブル開始。左ハーフレーンをするすると進んでPAに入ったところで意表を突くコンパクトな左足のシュート。GKの手をすり抜けボールはゴール右に吸い込まれ同大が追加点! 0-2
後半14分、同大のプレスを受けた甲南大がGKへバックパス。#21板敷洸大がクリアするも中盤で拾ったのは同大・#18馬場拓己。素早く縦パスを入れ、相手SBの背後の右サイドのスペースでボールを受けた#8前田一勇がPA右からクロス。これは相手DFに当たるも再び#8前田がボールを拾い、ふわりと浮き球のクロス。ゴール前中央で#10鹿取勇斗が頭に当てたボールをファーサイドで#9野頼駿介が押し込み同大が3点目!…と思いきやフラッグが上がりオフサイドの判定。
後半17分、甲南大が2回目の交代。#20西村日陽に代えて#24岡本大生(3年・奈良育英高)を投入。
後半22分、同大の左CK。変化をつけショートコーナー。PA左角にいた#9野頼駿介が左足クロス。やや低いボールは甲南大にクリアされるもPA手前中央に落ちてきたボールを同大・#14中里圭佑が収めて右足のシュート。しかし勢いなくGKがキャッチ。
後半24分、同大が最初の交代で2枚替え。#8前田一勇と#14中里圭佑に代えて#13馬場啓太朗(3年・大阪桐蔭高)と#17宗川遼哉(4年・岡山学芸館高)を投入。
後半27分、バックパスを受けた同大GK#1祓川ダニエル。寄せてくる甲南大・#14松野隼輝をかわそうと左足で切り替えそうとするもコントロールミス。甲南大・#14松野に拾われシュートを打たれるもなんとか足に当ててサイドネットに逃れる。
後半28分、甲南大の右CK。#14松野隼輝のキックはクリアされるも再び#14松野が拾ってクロス。これもクリアされるが同大陣内中央で甲南大・#25森勇聖が拾って#10泉彩稀とのパス交換から浮き球の縦パス。ペナルティアーク付近で#27諏訪晃大が胸で落として振り返りざまの左足シュート。しかしボールは弱くGKキャッチ。
後半32分、攻め込まれていた甲南大が右サイドでプレスをはめてボールを奪いカウンター。しかし同大の戻りも早く中央から右へ右へと追いやられる。なんとかボールは保持して右サイドから#18清水健生のクロス。中央で#10泉彩稀がスルーし#12坂口叶夢がシュート体勢に入ろうとするが同大・#13馬場啓太朗が阻んでピンチを回避。
後半35分、甲南大のビルドアップ。#24岡本大生が中盤まで顔を出してボールを引き出すと左サイドへ展開。#12坂口叶夢から再び中央#24岡本大生と繋いで最後は中央へ縦に走り込んだ#25森勇聖が右足で強烈なミドルシュートを放つも枠の左。
後半35分、同大は#9野頼駿介に代えて#12楠見堅(4年・福岡県立修猷館高)を投入。
後半39分、甲南大がGKからショートパスでビルドアップ開始。左サイド#12坂口叶夢に入ったところで同大がハイプレス。しかし中央PAまで引いた位置で#10泉彩稀がうまく顔を出し、縦に#25森勇聖、中盤左の#24岡本大生とテンポよく繋ぐ。トラップ際を同大・#18馬場拓己が寄せるも甲南大・#24岡本はワンタッチでその背後をとり独走。PA左に差し掛かったところで逆サイドへ横パス。#14松野隼輝、#27諏訪晃大が相手DFをPA内に引き連れ、その背後から入ってきたのは#18清水健生。トラップできちんとボールを置いてから右足を振り抜くがシュートはGK正面。同大・#1祓川ダニエルががっちりキャッチ。
後半40分、甲南大は#12坂口叶夢と#25森勇聖に代えて#35山田煌人(1年・名古屋U-18)と#8濱口太陽(4年・甲南高)を投入。
後半42分、同大・#10鹿取勇斗が敵陣左サイドから大きく右に展開。#13馬場啓太朗が受けて#11安井凌羽とのパス交換から中央#6廣島大雅に預ける。#6廣島は一度右のスペースへパスを出すも相手に跳ね返され、そのボールを#6廣島が再び拾い、PA内の#12楠見堅に当ててリターンパスを#6廣島大雅がダイレクトで左足のシュート。しかし枠の右へ外れる。
後半44分、甲南大の右CK。#14松野隼輝のキックは同大に跳ね返される。互いにヘディングで入れては跳ね返しを繰り返すが、PAの外でこぼれを拾った甲南大・#10泉彩稀が左サイドへ回って左足の山なりのクロス。中央で#27諏訪晃大が頭で合わせるもゴール方向へは打てず同大がクリア。
後半45分、同大は#11安井凌羽と#20中山織斗に代えて#23熱田修平(4年・桐光学園高)と#29井藤璃人(2年・藤枝東高)を投入。#23熱田はCBの一角に入り#18馬場拓己が右SBへ。
後半45+1分、甲南大が敵陣右サイドからのロングスロー。#14松野隼輝のスローでPA内へ放り込まれたボールは中央のPAの外へこぼれ、拾った#13有吉勇人が右足を振るが相手に当たり枠を外れる。
後半45+2分、甲南大の右CK。この試合初めて#10泉彩稀がキッカーとなり左足で放つもチャンスとはならず同大がクリア。
結局同大が無失点のまま2点のリードを守りきり試合終了。 0-2
前期での対戦ではドローでしたが今回は同大が完勝。甲南大はセットプレーからの得点も少なくないチームですが、この試合CK、スローインを含め10回ほどゴール前に迫るセットプレーのチャンスがあったもののゴールには至ることはできず。何しろ相手の同大は今季ここまで19試合でセットプレーからの失点は2点にとどめており後期になってからは一度もありません。また、甲南大のカウンターが何度かありましたが、同大の守から攻への切り替えの早さに阻まれチャンスをものにすることができませんでした。この結果順位は5位から7位に後退。残り2試合でインカレ枠へ滑り込みたいところですが残る相手は阪南大と大院大。勝点をどこまで伸ばせるか注目です。
一方の同大は軽快な動きを見せる#10鹿取勇斗、#20中山織斗を中心に良い攻撃が何度もありました。甲南大は攻撃時3バック、守備時に左WBが最終ラインに入って4バックを敷くのですが、同大はハーフレーンをうまく活用しチャンスを量産。相手最終ラインの両端の背後を突くシーンがよく見られました。同大はこれで4連勝。前期は11試合で勝点を7しか伸ばせず11位に沈んでいましたが9位となり勝点を通算26にまで伸ばしました。前日に11位立命大が敗れて同大の1部残留は決まっていましたが自力でもしっかりと残留を決めたことになります。残り2試合、一つでも順位を伸ばすべく頑張ってほしいです。