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優勝への執念と2位奪取への意地、激戦の果てに… 後期第11節 京産大×阪南大 を見てきた!

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2024年11月17日(日)にヤンマースタジアム長居で行われた後期第11節、京都産業大学×阪南大学の試合を見てきました。
後期第10節終了時点で第3位の京産大は直近2試合は1敗1分と勝利から遠ざかってしまっていますが、この試合と後に行われる試合の結果次第で2位に上がる可能性を残しています。1位阪南大は総理大臣杯優勝チームとしてすでにインカレ決勝ラウンドグループステージに進出が決まっており、2位を確保することで同じく決勝ラウンドグループステージ入りをすることができます。3位となればインカレ予選ラウンドを勝ち進まないと決勝ラウンドに参加できません。得失点差では2位関西大を大きく上回っており第2試合の関学大×関西大の結果次第ではありますが、京産大は最低でも勝点1を得なければなりません。京産大のフォーメーションは4-4-1-1。GKは#12中村青(4年・京都橘高)。4バック右から#6大串昇平(4年・G大阪ユース)、#5横窪皇太(4年・金光大阪高)、#5小野成夢(2年・愛媛U-18)、#33逵村健斗(3年・三重高)。ダブルボランチは#3田代紘(2年・神戸U-18)と#10伊藤翼(2年・C大阪U-18)。右SH#72皿良立輝(1年・C大阪U-18)、左SH#23山村朔冬(1年・帝京長岡高)。縦の2トップは#11中田樹音(4年・岡山学芸館高)と#9菅野翔斗(4年・広島ユース)です。
一方の阪南大。後期第10節終了時点で勝点41。2位関西大との差はわずかに2。自力で優勝を決めるには最低でもドローで勝点1をゲットせねばなりません。総理大臣杯優勝でインカレ決勝ラウンド進出が決定しているとはいえ、8年ぶりのリーグ優勝を自力で決めたいところ。フォーメーションは4-4-2。GKは#1市川泰壱(4年・藤枝明誠高)。4バック右から#15金子光汰(3年・市立船橋高)、#5鈴木梨(4年・仙台ユース)、#4野瀬翔也(4年・東邦高)、#3渡邉吏海(4年・岡山U-18)。ダブルボランチ#8工藤紫苑(3年・仙台ユース)と#12小田奏(4年・新潟U-18)。右SH#27小川麟(4年・市原・千葉U-18)、左SH#11森村俊太(3年・京都先科大附属高)。2トップ#20中田有祐(2年・仙台ユース)と#10金本毅騎(2年・C大阪U-18)です。

試合開始。
前半3分、阪南大・#27小川麟のプレスでやや中途半端になった京産大GK#12中村青のフィードを中盤で阪南大・#5鈴木梨がカット。すぐさま前方へ浮き球の縦パス。#20中田有祐が身長を活かして胸トラップからターン、縦に運び相手に寄せられながらもクロス。しかしファーサイドに抜けてゴールキック。
前半5分、京産大が自陣左サイドからのスローイン。中盤での競り合いからこぼれ球を拾った阪南大・#4野瀬翔也がトラップからすぐさま浮き球縦パス。#10金本毅騎が右ハーフレーンを裏へ抜け出し右ポケットへ運んでニアハイを狙った右足のシュート。しかし惜しくもバーに阻まれゴールならず。
前半11分、阪南大が自陣右サイド高い位置からのFK。縦に大きく入れたボールに#20中田有祐が競り勝つもこぼれ球から京産大陣内中盤右ハーフレーンで互いに奪い合い。阪南大・#12小田奏に収まると#8工藤紫苑へつなぎ、#8工藤は浮き球でサイドチェンジ。#11森村俊太がPA左角手前で相手DFと対峙すると相手の外から左ポケットへ通す斜めのスルーパス。#10金本毅騎が左足から右足へ持ち替えて相手をかわしニアへシュート。しかしポストに弾かれ枠外へ。
前半12分、京産大が最終ラインでパスを回す。やや左へ寄った幅のない陣形に好機と見た阪南大がハイプレス。京産大・#4小野成夢からGKへ戻したボールがやや短くペナルティアークへ転がるもGKは出られず。これを阪南大・#10金本毅騎がかっさらいPA中央から右足を振ってゴール左へ突き刺し阪南大が先制! 0-1

前半15分、京産大が敵陣右サイド浅い位置からのFK。#72皿良立輝の左足から高く弧を描く速いボールが入れられ、PA中央のスペースに入った#3田代紘がバックヘッドでファーサイドを狙うも惜しくもポスト左。
前半17分、阪南大がセンターサークルからのFK。幅をとってスルスルと右サイドを上がった#15金子光汰に合わせて#4野瀬翔也がロングパス。ヘッドで一列内側へ落とし#20中田有祐の足元へ。PA右で相手に寄せられながらもDFとGKの間へ強引にグラウンダークロス。しかし味方は走り込めずファーサイドへ抜ける。
前半23分、再びセンターサークルから阪南大のFK。#4野瀬翔也は今度は左サイドを選択。大外で待っていた#11森村俊太が受けて中央へマイナスのパス。敵陣中央で#10金本毅騎が縦パスを入れPA手前の#12小田奏が敵に囲まれるも右ハーフレーンの#15金子光汰へパスを出しプレスを回避。フリーの#15金子は落ち着いてPA中央へアーリークロス。#20中田有祐がヘッドで合わせるも体勢悪くボールはバーの上。
前半23分、京産大・#5横窪皇太が自陣中央から前線へロングフィード。#9菅野翔斗が抜け出しPAに進入するも阪南大・#8工藤紫苑が追いついて外から足を回しカット。こぼれ球を京産大・#11中田樹音が拾ってPAやや左からシュートを放つも阪南大・#15金子光汰が足を出しCKへ逃れる。
前半25分に飲水タイム。
前半29分、京産大のゴールキックを自陣で跳ね返した阪南大。中盤で阪南大・#8工藤紫苑が胸トラップしたところへ京産大・#11中田樹音が上げた膝を体に受けホイッスル。京産大・#11中田にイエローカード。
前半31分、京産大の左CK。ゴール前の競り合いからペナルティアークの外へこぼれ、京産大・#72皿良立輝が拾う。少し縦に運んで右足のクロス。#5横窪皇太のダイビングヘッドはバーの下側を叩きバウンド。ゴールラインを超えたかに見えたが判定はノーゴール。阪南大がクリアしきれず再びボールを握った京産大が右サイド#4小野成夢の横パス。#72皿良立輝にわたりPAの外から左足シュートも枠の上。
前半40分、京産大GKから始まるビルドアップに阪南大がハイプレス。サイドから中央へ入ったボールを阪南大・#5鈴木梨が回収し#27小川麟、そして#27小川の縦パスを#10金本毅騎がポスト。PAの外、右ハーフレーンで受けた#20中田有祐がターンで一人かわし寄せる相手にかまわず強引にPA内を縦に進んでシュートまで持ち込むが京産大GK#12中村青のセーブでゴールとはならず。
前半42分、再び敵陣で阪南大のハイプレス。京産大・#4小野成夢から#10伊藤翼への縦パスに阪南大・#12小田奏が厳しく寄せ、こぼれたボールを#27小川麟がワンタッチパス。ペナルティアークで#20中田有祐が受け、再び縦に強引に運ぶもボールとの間に体を入れられGKが回収。
前半45+2分、京産大の左CK。#72皿良立輝の左足のキックをPA中央で#5横窪皇太がヘッド。低く飛んだボールを阪南大GK#1市川泰壱が前へ弾くがボールは京産大・#3田代紘の足元へ。#3田代が倒れ込みながらゴールへ流し込み京産大が前半終了間際に追いつく! 1-1

ここで前半終了。 1-1

阪南大はハーフタイムに交代。#11森村俊太に代えて#9三好麟大(4年・流経大付属柏高)を投入。

後半開始。
後半1分、阪南大・#3渡邉吏海が中盤左サイドからPA中央へ向けてロングキック。#20中田有祐とGKが競ってマイナスへこぼれたボールを#27小川麟が左足ダイレクトのループシュート。しかしボールは枠の上。
後半8分、左CKからの流れで敵陣右サイドにいた京産大・#23山村朔冬が右足のクロス。これは相手DFがヘッドで逆サイドへクリアするも、これを拾った#72皿良立輝がPA左から左足クロス。ファーサイド、#23山村朔冬がやや遠い位置からヘディングシュートを放つも阪南大GK#1市川泰壱が両手で弾いてクリア。
後半11分、中盤敵陣左ハーフレーンでボールを受けた京産大・#33逵村健斗が中央へ横パス。#3田代紘が右足ワンタッチで縦パスを出し、これを受けた#11中田樹音が左ハーフレーンPAに入る寸前で中央へスルーパスを流し込むも味方とは合わず流れてしまう。
後半12分、京産大・#72皿良立輝が敵陣右ハーフレーンを縦に仕掛けてPA内に入ると右足のクロス。ゴール前中央で#9菅野翔斗がヘディングシュートを放つがバーに阻まれ、こぼれ球を再び#9菅野翔斗が体勢を崩しながら右足で押し込もうとするも相手DFに当たりCKに。
ここで阪南大が2枚替え。#12小田奏と#27小川麟を下げ、#7松井匠(3年・高知高)と#6川端元(2年・履正社高)を投入。
プレー再開。前半14分、京産大の左CK。#72皿良立輝の左足アウトスイングのボールをPA中央の#4小野成夢がヘッドで相手DFの裏へ落とし、そのスペースへ#4小野の後ろからスルスルと走り込んだ#5横窪皇太が右足で押し込んで京産大が逆転! 2-1

阪南大がCK前に2枚替えした選手たちのポジションは#7松井が左SH、#9三好麟大が左SHからボランチへ移り、#6川端は右SHへ。
後半17分、阪南大の左CK。#9三好麟大の右足から放たれたボールは京産大にクリアされるも阪南大・#8工藤紫苑がヘッドで再びPA中央へ高いボールを入れ、#5鈴木梨がヘディングシュートを放つが京産大GK#12中村青が横っ飛びでキャッチ。
後半20分、阪南大は#20中田有祐に代えて#14櫻井文陽を投入。#14櫻井がボランチ、#9三好麟大が再び左SHに入り、#7松井匠は2トップの一角へ。
同時に京産大は2枚替え。#11中田樹音と#72皿良立輝を下げ、#27福永裕也(1年・京都橘高)と#8城水晃太(4年・広島ユース)を投入。
後半22分、#10伊藤翼が敵陣中央から右サイドへ展開。#8城水晃太のクロスはゴール前中央の#27福永裕也の足元へ入るもシュートが打てず阪南大がクリア。
後半25分、京産大のクリアボールを中盤で阪南大・#4野瀬翔也が回収。#3渡邉吏海を経由してGKへ戻すとGK#1市川泰壱が相手DFの裏のスペースへロングフィード。#6川端元が中央を抜け出し相手DFに追いつかれ前に回り込まれるも細かいコントロールでコースを作りペナルティアークの外からミドルシュート! ボールは弧を描いてGKの頭上を超えてゴールネットを揺らし今度は阪南大が同点に追いつく! 2-2

後半25分、ここで飲水タイム。
後半28分、京産大が自陣左サイドのスローイン。ボールがスロワーに戻されたところで阪南大・#14櫻井文陽が猛然とプレス。ボールを奪ってそのまま右サイドを駆け上がり深い位置からDFとGKの間へ低いクロス。ゴール前に3人詰めていた阪南大だったがさわれずファーサイドに流れる。
後半29分、京産大のカウンター。左ハーフレーンから逆サイドへ振ったボールに対し阪南大・#9三好麟大が怒涛のプレスバック。クリアボールは京産大が収め、阪南大陣内中央へパスを入れるが再び#9三好麟大が詰めてカット。こぼれ球を#7松井匠、#14櫻井文陽、#15金子光汰とショートパスで繋いで#15金子が前方の#10金本毅騎に楔を入れ、今度は阪南大のカウンター。#10金本の落としたボールを#14櫻井文陽が左サイドへはたき#3渡邉吏海が駆け上がる。浅い位置からグラウンダーで斜めのスルーパスを入れるが京産大・#5横窪皇太がスライディングでカットしタッチへ逃れる。
後半30分、京産大が2枚替え。#9菅野翔斗と#23山村朔冬と下げ、#36岩村匠馬(4年・東山高)と#13滝口晴斗(2年・広島ユース)を投入。
後半33分、京産大の右CK。#6大串昇平の右足のキックに、ニアへ走った#3田代紘が右足ですくい上げ、中央で#4小野成夢が詰めるが阪南大・#6川端元がクリア。
後半34分、京産大が前方へ送った浮き球を阪南大・#15金子光汰が胸トラップで落としたボールを直接右足で前方へ浮き球パス。#7松井匠がダイレクトヘッドで更に前に送って#10金本毅騎が裏へ抜け出したかに見えたがオフサイドのフラッグ。
後半39分、京産大・#6大串昇平が敵陣右サイドから斜めのグラウンダーパスを入れようとするも相手に当たる。しかしボールは中央ペナルティーアーク付近にこぼれ、京産大・#36岩村匠馬がマイナス方向のボールに素早く回り込んで前を向き左足の低いシュート。しかしGK正面。
後半41分、阪南大は#15金子光汰に代えて#23盛田有輝(4年・東京成徳高)を投入。
後半45+1分、阪南大・#4野瀬翔也がクリアしたボールを#10金本毅騎が左ハーフレーンで収めて、さらに外の#9三好麟大へ。そのまま左サイドを駆け上がり、クロスかと思われたがGKがニアへ寄っているのを見てファー側サイドネットを狙ったループシュート。しかし惜しくもバーを越える。
後半45+3分、京産大が敵陣でFK獲得。しかし阪南大が跳ね返し、#8工藤紫苑がドリブルで運んでカウンター。敵陣左サイドでペースダウンするもオーバーラップした#7松井匠にスイッチ。#7松井が左サイド深い位置からDFとGKの間へ低いクロス。#9三好麟大が走り込むも並走していた京産大・#33逵村健斗が一瞬体を当てたか? 阪南大・#9三好は押し込めずボールはファーへ流れてしまう。
結局両者ともに決勝点は上げられず試合終了。 2-2

両者ともに終始球際激しく運動量の高いゲームでしたが、ハイプレスでミスを突き阪南大が先制、先制された京産大が2度のCKで逆転。しかし縦に速い展開から#6川端元のスーパーミドルで阪南大が追いつくという結果でした。
京産大はボールを握ってビルドアップから好機を見出したいところでしたが相手にプレスに手を焼き思い通りのゲーム運びはできませんでした。しかし守備の集中力は高く最後の最後までよく粘って相手のチャンスの芽を摘んでおり楽な展開にはさせません。CBコンビの#4小野成夢と#5横窪皇太、それにボランチの#3田代紘はセットプレーを含め攻守両面で大きな働きを見せました。セットプレー、特に2点目はデザインされたものなのかとても美しい展開で、PA中央に#4小野成夢が立ち、その背後に#5横窪皇太が控え、#72皿良立輝の正確なキックに#4小野がジャンプし、GKからすればヘディングシュートに備えるところですが、その高いヘッドはスペースへボールを落とし、そこへ#5横窪皇太が走り込むという形で、守る側からすればどう防いだら止められるのか悩ましいものでした。しかしながら勝点1獲得にとどまり、得失点差により暫定2位となったものの順位確定は第2試合の結果次第ということになりました。
一方の阪南大は相変わらずの高い運動量と球際の激しさ、切り替えの速さ、そして縦の攻撃の速さという三拍子も四拍子も揃った魅力的なサッカーを見せてくれましたが、その中でもひときわ輝いたのはDF陣。CBの#4野瀬翔也、#5鈴木梨に加えて#15金子光汰が壁として立ちはだかるのはもちろん、この3人が止めてからすぐさま前に出す長いパスがいちいち正確で、ただでさえ#10金本毅騎、#20中田有祐という強力2トップに対してしっかりと守備を整えたいのに一瞬で裏返されるのですから京産大としてはかなり脅威だったと思います。難敵を相手にしっかりと勝点1を得て、自力で優勝を勝ち取りました。関西選手権以降に安定した戦いを見せ、総理大臣杯で日本一となってさらに自信をつけ、爆発的な得点力を見せて終わってみれば総得点は60点。圧倒的でした。インカレでも力を存分に発揮してほしいと思います。改めて、阪南大学の皆さん、リーグ優勝おめでとうございます!

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