大阪サッカー選手権もいよいよ決勝戦。これで天皇杯へ出場する大阪府代表が決まります。FC大阪に挑むは阪南大クラブ。準決勝で大学第1代表の近畿大を破っての決勝進出。勢いがつくとどの選手も急にやんちゃなノリを発揮する面白いチーム。この試合も阪南大クラブ応援目線で観戦しました。
FC大阪は4-4-2。2トップに#7木匠貴大と#15久保賢悟。中盤左サイドは#14須ノ又諭、右サイドに#20四ヶ浦寛康。準決勝で右SBに入った#28橋本侑紀はベンチで#10水野匠弥が右SBに入りました。
阪南大クラブはメンバーは準決勝と変わらず。この試合は4-1-4-1のように見えました。アンカーに#7野﨑悠、1トップは#16永井絢大。
前半2分阪南大クラブの攻撃。左サイドのスローインからの流れ、FC大阪がクリアしきれなかったところをエリア外中央から#7野﨑悠がミドルシュート。GKがセーブ。
7分はFC大阪が相手陣内右サイドでFKを獲得。左SB#6舘野俊祐が左足で放ったボールは弧を描いてゴール前に入るも誰も触れず。
10分、阪南大クラブ#9小國憲弥が中盤でボールを奪ってカウンター。相手ゴール前でFW#16永井に渡るもFC大阪のCBに囲まれキープできず。
16分、FC大阪が左サイドから相手のペナルティエリア内に進入すると阪南大クラブが倒してしまいPKに。これを#15久保賢悟が決めてFC大阪が先制! 1-0
ここまでなかなかシュートを打てなかった阪南大クラブも先制されてからは強引にでもシュートへ持ち込む場面が出てきます。21分、相手陣内で阪南大クラブのFK。ゴール前で跳ね返されて中央へ転がりでたボールを右SB#11坂口真心がミドルシュートを放つもGKがセーブ。23分、右CKからの流れで相手エリア内中央に残っていたCB#4梶原和希が相手DFを背負いながら浮いたボールを強引にボレー。しかしボールは枠の左。
31分、阪南大クラブGK#21イ・チャンギュが自陣エリア内で何かファールを取られ、FC大阪の間接FK。#6舘野が味方から受けたボールを左足で狙うも枠の上。
33分、FC大阪の右CK。相手のクリアボールをエリア外中央から#10水野匠弥がボレーで狙うも枠の上。
阪南大クラブは序盤からFC大阪の前からのプレスに手を焼き、ロングボールを蹴らされる場面が多かったのですが少しずつ機を見て中盤の#6亀安晃太に縦パスが入れられるようになり巧みなタッチでサイドへ展開する場面が増えてきます。また、相手のプレスをかわしてサイドから#7野﨑悠を経由してスペースの大きく空いた逆サイドへ運ぶ展開が出てくるなど、徐々に自分たちのペースでボールを回せるようになってきました。
40分、右サイドでボールを受けた阪南大クラブ#11坂口真心がクロス。ファーで#14尾﨑僚が待っていたものの相手DFと交錯しうまく合わせられず。43分、中盤で#9小國憲弥がボールを奪いショートカウンター。スルーパスを受けた#16永井絢大がGKとの1対1に持ち込んだかに見えたがオフサイド。44分、再び自陣中央から右への展開。#11坂口がアーリークロス、#16永井が飛び込むが惜しくもさわれず。
そしてアディショナルタイム、三たび右サイド#11坂口にボールが入り文句なしのビューティフルクロス。これを三度目の正直とばかりに#16永井絢大が頭で叩き込んでゴール! 1-1
同点に追いついたところで前半終了。
後半に入るとFC大阪があまり前からボールを追わなくなり、じっくりと構えるようになります。前半の終わりのようなサイドのスペースがなくなり阪南大クラブは相手陣内に入ってもゴール前に迫るような場面がなかなか作れません。FC大阪もFKやCKは得るものの決定機はあまり訪れず、時間だけが刻々と過ぎていきます。
後半15分を過ぎて阪南大クラブは交代選手を入れて4-2-3-1や4-1-3-2のような形にして前に人数を増やしますが効果的なボールを入れられず、互いに相手エリアに入れない展開が続きます。つばぜり合いのような試合展開なのですが、いつかチャンスが来るを信じてじっくり機を待つ感じのするFC大阪に対し、阪南大クラブはまずはこの後半をしのぎきって延長戦あるいはその延長戦後のPKに賭ける、といった雰囲気で、暑さもあるとは思いますがやたら給水したり、相手選手やジャッジに異議を唱えたりするなど、後半終了が近づくにつれ阪南大クラブが時間を費やす場面が増えてきました。選択したゲームプランに対する慣れの差が結果につながったのかもしれません。
後半アディショナルタイム、阪南大クラブ陣内右サイドでFC大阪がボールを持つと阪南大クラブが二人がかりで潰しに行きますがこれを潰しきれず、FC大阪#14須ノ又諭が相手SBの裏を取って阪南大クラブのエリアへとドリブルで突進。CBが立ちはだかろうとするも#14須ノ又はエリアの逆サイドにいた#11川西誠へパス。これを#11川西はフリーで難なく蹴り込んでFC大阪が追加点! 2-1
阪南大クラブはCB#4梶原を前線へ入れてパワープレーの構えを見せますが有効なボールを入れられないうちに試合終了のホイッスル。
決勝戦にふさわしい熱い展開の試合となりました。が、やはりFC大阪が一枚二枚上手だったと言わざるを得ません。阪南大クラブは前半こそ準決勝の近畿大戦と同様に相手がボールホルダーに食いついてきてスペースが生まれ、そこから好機を作ることができていましたが後半にFC大阪が修正すると手も足も出ない状況となりました。また、FC大阪ほどの相手になると一枚剥がして前へ運ぶといったことが難しく、足元の精度の問題でパスワークで脅かすことも叶わず、難しいゲーム展開に陥ってしまいました。
FC大阪は前半のうちに追いつかれてしまったものの、準決勝の大院大戦同様、相手にボールを持たれてもじっくり落ち着いて機を待つことができ、精神面で阪南大クラブを大きく上回っていました。訪れたチャンスを逃さず、今大会2戦連続決勝アシスト#14須ノ又諭の功績もとても大きいと思います。
学生サッカーを応援する身としては大学代表が準決勝で姿を消してしまったゆえ阪南大クラブを応援していましたが準決勝そして決勝と、とても楽しませてもらいました。今後も頑張ってもらいたいです。
最後に2019年度天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会に出場する関西各府県の代表を記しておきたいと思います。
大阪府:FC大阪
兵庫県:関西学院大学
京都府:立命館大学
奈良県:奈良クラブ
滋賀県:MIOびわこ滋賀
和歌山県:アルテリーヴォ和歌山