今年の関西学生サッカー選手権、決勝の会場は万博記念競技場。あいにくの雨模様で観客席もピッチもどうなることかと思いましたが幸い前半の早い時間に雨もやみ、時折青空も見える天気へと回復しました。
スタメンですが、関西大のほうはリーグ最終節と同じメンバー。びわこ大はリーグ戦ではあまり見られなかった中盤構成。ダブルボランチは#7忽那喬司（4年・愛媛U-18）と#26佐々木啓太（1年・岡山U-18）、左サイドに#8佐藤諒（4年・藤枝明誠高）、右サイドに#14千川原慎（4年・立正大淞南高）が入り、サイドの守備を意識しているように感じました。
前半序盤はびわこ大ペース。11分、相手エリア近くでDFに跳ね返されそうなところを#14千川原慎が粘ったボールが#10青山景昌（4年・名古屋U-18）にこぼれ、青山がエリア中央からシュート。GKがはじくも#18井上直輝（4年・立正大淞南高）が詰めてびわこ大が先制。その後も球際厳しく寄せる守備とタッチ数の少ないパス回しでびわこ大がゲームを支配。ところが38分、中盤左サイドでボールを持った関西大左SB#6黒川圭介（4年・大阪桐蔭高）に、びわこ大#14千川原が寄せきれず、絶妙の縦パスを関西大左SH#10牧野寛太（4年・履正社高）に通されてしまう。牧野が左サイド深いところからクロス、これをFW#17矢野龍斗（3年・市立船橋高）が押し込んで同点に。１－１
この同点以後は関西大の出足の良さが目立ち、セカンドボールをことごとく関西大が収めチャンスを増やしていく。しかし43分、びわこ大#8佐藤諒が関西大PAに入ったところで肩に関西大CB#3小山新（3年・青森山田高）の手がかかってしまいPKに。キッカーはファールを受けた佐藤。ゴール右を狙った低いボールは関西大GK#1鴨川優斗（4年・旭川実業高）にはじき出されてしまう。びわこ大は絶好の追加点のチャンスを逃し１－１のまま前半終了。
ピンチを乗り越え、後半は関西大ペースになるかと思いきやスコアを動かしたのはびわこ大。51分、右SB#4上林聖矢（4年・草津東高）のクロスを#10青山が受け利き足とは逆の右足に持ち替えてシュート。これが決まって２－１。
しかしびわこ大は寄せの厳しさを取り戻せない。67分、関西大ボランチ#4奥野圭亮（3年・金光大阪高）に中盤中央でボールが渡るもびわこ大はボランチが寄せることもFWがプレースバックもできずフリーにしてしまう。奥野は浮き球で縦パスを供給。これを受けたFW#9高橋晃平（4年・草津東高）が中央を疾走。DFを華麗にかわして左足でゴールに叩き込んで再び同点。２－２
これ以降びわこ大のシュート数がなかなか増えず80分、監督代行の石間コーチが勝負に出る。#14千川原慎に代え#22泉柊椰（1年・神戸U-18）を投入。先に投入され左サイドにいた#11上月翔聖（2年・神戸弘陵学園高）を右サイド、泉を左サイドへ。
この二人が結果を出す。90分、右サイドで上月がボールを持つと泉が左サイドからゴール前へ走り出す。上月のクロスにDFの背後からゴール前へ入った泉が頭で合わせてゴール。終了間際の値千金弾！ これが決勝点となり試合終了。３－２
びわこ大は関西学生サッカー選手権、初優勝となりました。
試合開始前はタイトなゲームになると思っていたのですが、まさかの撃ち合いに。どの選手もそれぞれに良さを発揮していたのですが、目立った選手を挙げますと、まずびわこ大FW#10青山景昌がキレキレでした。2得点に絡む動きが良かったのは勿論、左サイドからの右足で供給されたインスイングの浮き球を胸トラップからの左足ボレーはしびれました。惜しくもポスト左へ外れてしまったのが残念。止めてからのシュートがほんと速い。
個人的に見たかったのは牧野キャノンとでも呼びたくなるような関西大#10牧野寛太のミドル。左サイドからカットインして右足で放たれるパンチのあるシュートは見応え十分なんですが、この試合でも3度試みたシーンがあったと思うのですが、びわこ大#14千川原慎が徹底マークし体を張ってブロックしてました。
もう一人守備貢献度が高かったのがびわこ大の左SB#13中濱颯斗（4年・神戸弘陵学園高）。足元の技術が高い関西大の右SH#19松本歩夢（3年・G大阪ユース）、スピードに乗ったドリブルが脅威の新進気鋭右SB#31松尾勇佑（1年・市立船橋高）の両名による右サイドからの攻撃をシャットアウト。最後の最後に読み切って体を投げ出しクロスを入れさせない姿が印象的でした。
この選手権の結果により総理大臣杯に出場するのは第一代表から順に、びわこ成蹊スポーツ大学、関西大学、大阪経済大学、大阪体育大学の4チームとなりました。厳しい戦いが予想されますがぜひ優勝を目指して頑張ってほしいものです。
